バイト先の憧れの先輩には彼女がいる。でもある日、先輩の彼女が怒鳴り込んできて…!?

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バイト先の憧れの先輩には彼女がいる。でもある日、先輩の彼女が怒鳴り込んできて…!? (ページ 1)

居酒屋でバイトを始めて半年。

最近ようやく慣れてきた。

大変だし辛いこともあるけれど、ここでの仕事はけっこう自分に合っていると思う。

何より私の支えになっているのは、彰人先輩の存在だった。

彰人先輩は私の三つ上。

今年二十四歳で、大学院に通っている。

「彰人先輩ってほんとイケメンだよね~。優しいし賢いし、あんな人と付き合える人って幸せだろうな~」

「そうだね…」

バイト仲間の間でも、彰人先輩の人気はすごかった。

でも誰も告白はしない。

だって、先輩には彼女がいるから。

美人でスタイルもよくて、噂では読モとかもやっているらしい。

だから私は、彰人先輩を遠くから見ていることしかできなかった。

そんなある日、閉店直前に彰人先輩の彼女が怒鳴り込んできた。

「ねえ、なんで連絡くれないの!?メールしたのになんで無視するのよ!」

「バイト中なんだ。勘弁してくれよ」

「今日だけじゃないわ。昨日も一昨日も、全然返してくれなかったじゃない!あんた浮気してるんじゃないでしょうね!?」

束縛が強くて大変だって話は聞いたことがあった。

彼女は一方的に怒鳴り散らした後、「もういい!あんたとは終わりよ!」と店を飛び出してしまった。

「大丈夫ですか?先輩…」

「ごめん。仕事中なのに迷惑かけて…。あいつ、ほんと見境がなくてさ…」

彰人先輩はすごく疲れているみたいだった。

バイトで学費と生活費を稼ぎながら、毎日研究も頑張っていて、遊ぶ暇はないって聞いたことがある。

そんなに頑張っている先輩に、彼女はどうしてあんなに酷いことができるんだろう?

もし私が先輩の彼女だったら、先輩を責めたりしない。

彼を一生懸命支えてあげるのに…。

「先輩、そんな顔をしないでください」

「え…?」

私は先輩に抱きついた。

「私じゃ、だめですか?」

「茉莉ちゃん…」

「私、先輩のことが好きなんです。私だったら、絶対先輩にこんな想いはさせません。だから…」

言い終わらないうちに、彰人先輩にキスをされた。

「…ほんとにいいの?茉莉ちゃん」

彰人先輩は潤んだ目で私を見つめていた。

責められて一方的にフラれた彼があまりにも可哀想で、胸が締め付けられる。

私は頷いた。

「私、先輩のためなら何だってできます」

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