友達の弟に求愛されました!敏感に反応してしまう箇所を次々と探りあてられる私 (ページ 2)

「もしかして…私がしゃべってたこと、全部聞こえちゃってたとか…」

恐る恐る聞いてみる。

悠君はまっすぐに私をみつめたまま、静かに、でも、はっきり「はい」と答えた。

(そ、そんな…。元彼に、エッチでイケないからフラれたってことが、数年ぶりに再会した悠君にバレてるなんて!)

気まずくて、思わず悠君から目をそらしてしまうと…。

「梓さん」

私をいたわるような、やさしい声で名を呼ばれた。

「俺も姉さんと同じ意見だよ。そんな男のこと、忘れてしまえばいいと思う」

失恋した私にはげましの言葉をかける悠君。

そして、お酒をたくさん飲んだ私に『気分は大丈夫?』とか『少し休んでからのほうが車酔いしないはず』とか、あれこれ世話を焼く。

(悠君をこれ以上心配させちゃ悪いよね)

私は座ったままだったソファから立ちあがり「もう大丈夫だよ」と自分が元気なことをアピールしようとした。

…けれども…。

酔いは、だいぶさめたものの、お酒が抜けきったわけではなかったみたい。

立ちあがってみた瞬間、フラフラ~っと、めまいがして体のバランスがくずれる。

「梓さん、平気?」

前のめりに倒れそうになったところを悠君に抱きとめられた。

「あ、ありがとう。悠君が支えてくれたから平気だよ。迷惑かけちゃって、ごめんね」

服ごしに感じる彼の体は、細身なのに筋肉質で、私をドキリとさせる。

「迷惑なわけないよ。初めて梓さんを抱きしめられたんだから」

「だ、抱き…!」

「まさか、『気づいてなかった』なんて言わないよね。昔からずっと俺が梓さんを好きでいたこと」

…悠君が、私を…?

「えぇっ!ち、ちょっと待って、悠君。私を…好きって…。気づくも気づかないも、急にそんなこと言われても、私、信じられないんだけど…」

いきなり告白されて、あせる私に悠君は告げた。

「俺が梓さんを満足させることができたら…俺だけのものになってくれる?」

「悠君っ?満足って…、あぁ…っ!」

首すじにキスされただけなのにヘンな声がでてしまう。

「可愛いな、梓さんの感じてる声って…」

「やぁ…感じてなんか、ない…」

口ではそう言いながら、悠君にキスされたときから、私の体は力が入らなくなってしまった。

彼のリードでソファに寝かせられる。

悠君は私の上に覆いかぶさり、私の服を脱がしていく。

やめさせなきゃと思っているのに…。彼に何度も「たまらなく会いたかった」「すきだ」と熱っぽくささやかれているうちに、抵抗する気持ちが薄れていく。

だけど、このまま彼に抱かれたいと思ってるわけじゃない。私は…。

「悠君、私の話、聞こえちゃったんだからもう知ってるよね。私、イったことないから。私とエッチしても、つまらないよ。悠君にまで、そんなこと思われたら私つらいから…」

恋人にフラれて以来私が抱える、せつない気持ちを打ちあける。

話しているうちに私の目からは、また涙がこぼれてきた。

「梓さん…」

溢れる涙を悠君は唇でぬぐってくれた。

彼の唇のぬくもりが私の心まであたたかくしてくれるようだった。

「俺にとっては、梓さんにふれられること自体が夢みたいなことだから…」

悠君は少年のような純粋な瞳で私をみつめた。

「さっき俺のキスで、気持ちよさそうな声もらしてくれたよね。それだけで充分すぎるよ」

「悠君…」

「『イク』とか『イケない』とか忘れて、俺が長い間、どれだけ梓さんをすきだったのかだけ、わかって…」

彼の真剣な口ぶりが、私の傷ついた心を癒やしていく。そして…。

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