夢の中で毎夜くりかえされたもどかしい快感。物足りない夢が現実に変わる今夜、出会った二人 (ページ 2)
「あん!だめぇ!おかしくなるう」
激しい快感に身をよじる。シンは逃げていこうとするひかるの腰を抱き込んで丁寧に舐め続ける。蜜はつぎつぎあふれだし、シンが舐め終わる気配はない。
シンの舌が大切なところから上に向かう。ぷっくりと膨らんだ肉芽をぺろりと舐め上げる。
「ひゃぁん!」
あまりの衝撃にひかるの腰が揺れる。シンは唇で肉芽を挟み、優しくマッサージするかのように舌でつつく。
「あっん!ああ!はぁっ、もう、もうダメ」
シンが顔を上げてひかるの顔を覗きこむ。
「何がダメなの?」
「もう、ちょうだい。シンが欲しいの」
シンは嬉しそうに微笑むとひかるの腰を持ちあげて逞しいもので貫こうと……。
ひかるはぱっちりと目を覚ました。夢はいつもここで終わる。ひかるの股間は蜜でしとどに濡れていて、解放されないままの熱が体内で渦巻いている。
どうしようもなくてひかるは大切なところに手を伸ばし、自身で慰めようとするのだが欲しいものとは程遠く、毎晩物欲しさだけが募っていった。
「新入社員を紹介します」
春だ。ひかるが働いている部署にも大卒の新人が配属される。寝不足でフラフラのひかるにはそんなことはどうでもよくて、ただただ家に帰って眠りたい思いしかない。
「今年からうちの課に配属になった新入社員を紹介する」
上司の声に顔を上げたひかるは驚いて目を丸くした。
シンだ。毎夜、夢に出てくる青年。ひかるの生活を支配しようとしている悪夢の主。
スーツ姿のシンは笑顔で頭を下げ、先輩社員たちから拍手で迎えられる。ひかるは驚きすぎて動けずにいた。
「ひかる、落ちたわね」
昼休み、同期の友人がにやにやしながら寄ってきた。
「落ちたって、何?」
「落ちたわね、恋に」
「恋?」
友人は何を言っているんだろうとひかるは首をかしげる。
「熱く見つめていたじゃない、新入社員くんのこと。かっこいいもんね、仕方ないよ」
「やだ、そんなんじゃないよ。ただ、どこかで会ったことがあるような気がして」
「えーー?それって運命じゃない?」
「違うって」
さんざん友人にからかわれて何とかかわしながら、ひかるは運命という言葉を心の中でくりかえした。シンと出合うことが運命なら、あの夢の続きを見ることもあるだろうか。望みが叶うこともあるだろうか。
「先輩」
呼ばれて振りかえるとシンがひかるに微笑みかけていた。友人は気を利かせてニヤニヤしながら離れていった。
「な、なに?」
「僕たち、どこかで会ったことありませんか?」
「え?」
「見覚えがあるんです。ひかる先輩のこと。よく知っているような気がして」
「き、気のせいじゃないかな。私は覚えてないけど」
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