「私だって我慢してるんですから」―そう言って私は彼の身体に自分の胸を押し付けて…

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「私だって我慢してるんですから」―そう言って私は彼の身体に自分の胸を押し付けて… (ページ 1)

「熱、下がりましたね」

体温計を見ながら、安心する。

「千佳、悪いな。試験近いのに。……ごめん」

昨夜、彼氏の条さんに電話した時、様子がおかしいと思い押し掛けてみると、案の定、大風邪ひいて倒れていた。

「謝らないでください。体調良くなったんだから、いいじゃないですか。試験までまだ日数もあるし、私は普段からちゃんと勉強してるので焦る必要ありません」

条さんは無精髭を生やした口元を歪め、ふふっ、と笑いながら私の頬に触れる。

安心する……この大きな手。

思わず、スリスリと自ら頬を擦りつけ、条さんの愛情を手のひらに乞う。

今年大学を卒業する予定の私には、15歳年上の彼氏がいる。

条さんは、スーツ姿がかっこよくて、スタイルよくて、顔もいい。

それに渋い!

同年代の男友達にはない、落ち着いた雰囲気と大人の色気。

ただ、15歳も年上のせいか、私を子供扱いする事だけは不満だ。

「もっと頼って欲しいのに」

ベッドで寝ている条さんに、今まで我慢していた言葉がつい漏れてしまう。

「おっさんが、15歳も年下の彼女に甘えられんだろ。まぁ、来てくれて色々助かったけど……」

最後の言葉は、かろうじて聞き取れるほどの小さな呟きに変わった。

愛おしくなって、寝ている条さんに布団の上からギューっと抱きつく。

「頼られないのは寂しいです! ただでさえ年が離れていて、不安でしょうがないのに。もう離れないぃ!」

布団の中に、もぞもぞと入り込む。

耳が感じやすい条さんに、わざと耳元で熱い吐息を繰り返す。

胸を彼の体に押し付け、耳を攻め立てる。

「おい……これ以上やるなら、俺、止めが利かなくなる」

「私だって我慢してるんですから」

そう言いながら、伝家の宝刀、上目遣いで瞳を潤ませ、彼を追い込む。

すると、ガバッと覆い被さられ、

「俺がどれだけお前のこと大切にしてるか、まだわからないのか」

一気に服を脱がされる。

下から見上げる条さんの表情は、獲物に飢えた肉食獣のオスのような怖さと、色気を含んでいた。

成功!

心の中で、しめしめと思う私。

「小悪魔め」

低く唸るような声で、呟く。

条さんは太い筋肉質な腕で私をがっちりと掴み、キスマークを身体中に散らしていく。

皮膚に甘い痺れをいくつも感じ、ゾクゾクしながら背中をそらす。

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