映画館で隣の男が指で私の体を弄ぶ。エスカレートする指の動きに興奮が止まらない。 (ページ 3)

これが浩二だったらよかったのに。

浩二が『実花、愛してる』とささやきながら、私をこんなにめちゃくちゃにしてくれたら、どれほど幸せだっただろう。

心の中で浩二の名を呼びながら、下半身の止まらない快感を受け入れた。

その指を見ることはできないのに、いやらしい動きであることだけはわかっている。

指の動きに耐えきれず、私は左手で自然と自分の胸を弄ってしまった。

乳首が過敏になって、服の上からの刺激にも私は反応してしまう。

自分の指で乳首をつまむ感触、そしてあの指が出入りする感覚に体をよじりながら悶えていた。

その指の動きが速くなってくる。

もっと奥へと進もうとしている。

私はその指の動きを阻害しないよう、脚をできるだけ開き、腰を浮かせた。

指が出たり入ったり、中でぐるぐるかき混ぜたり、私は恍惚状態で明るいスクリーンに映っているはずのものは何も目に入ってこない。

オルガズムが腰に子宮に私の脳に襲いかかる。

「あ…もうダメ…いくっ…!!浩二…!」

びくんと体が跳ねると同時に、私の体と心は大きく果ててしまった。

*****

荒い息をしながら私は余韻に浸っているのに、指はまだ私の中にいる。

その指はまた静かに波打つ動きをし始め、出てくる気配がない。

イってしまったのに、まだやめてくれないの…?

私は絶望的になり、恐怖かそれとも悦楽の悦びか、涙がポロポロ流れてきた。

その指先はまた私の奥に潜り込んできて、溢れる蜜の中を泳いている。

そして指の関節を曲げて、あのスポットへの刺激が始まった。

体に快楽が戻ってきて私はのけぞった。

*****

一体何度、絶頂に達しただろう。

こんなに何度もイってしまうのは初めて。

指の人は劇場が明るくなっても私の隣に座ったままだった。

私はしばらく快感の余波に飲み込まれ、動けない状態。

私は恥ずかしさでいっぱいで、早くその場を離れたかった。

でも下半身がガクガクして普通に歩けそうにない。

その人がおもむろにこちらを見た。

深々と被っていた帽子を取ると、そこには見覚えのある顔が。

「こ、浩二!!!」

「ごめんね、実花。感じたでしょ?」

いつもの優しい顔、でもどこか意地悪そうに笑っている。

「も、もう信じられない!この変態!!」

「でも実花も楽しんだだろ?何度もいってたのは知ってるよ」

そう、楽しんだのは事実。

そして彼がこんなに指のテクがあったなんて意外だった。

恥ずかしさと嬉しさで顔が熱くなり、涙が出てくる。

彼は私の頭をぽんと叩いて言った。

「こんなことした埋め合わせはきちんとやるよ。俺ん家でね」

-FIN-

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