わたしの彼はちょっと残念だけど、エッチだけは手抜きナシ。今夜はお風呂で癒しのエッチ (ページ 3)

「ね、ねえ。もう……、もう、私……」

「もう待てない?」

 恥ずかしくて返事もできずにいると、

「うん、俺も」

 と、先に言ってくれる。

「立てる?」

 彼の力強い手に支えられ、私は湯船の中で立ち上がった。

 支えてもらわなければ、立っていることもできない。

 壁に寄り掛かった私の脚を後ろから開かせ、彼が私の中へ入ってきた。

「く、う……ああっ!」

 喉の奥から押し出されるように、高い声が出た。浴室に反響して、さらに大きく淫らに聞こえる。

 でも、もう我慢するなんて、無理。

「あっ、あ、や、ああっ!」

 彼が動くたびに、短い悲鳴のような声が出てしまう。

 熱いもので体の芯がいっぱいに満たされる。

 苦しい。息ができない。気持ちいい。

 彼とひとつに交わり、溶け合う、この感じ。

 好き。大好き。

 体の奥からこみあげる、声にならない想いすら、彼はちゃんと感じ取って、応えてくれる。

「   有希が好き。大好き」

 熱っぽくかすれた、彼の声。

 全部好き。

 その想いに包まれて、私たちは悦びの頂点にのぼりつめた。

 ・・・・・

 汗やいろんなものでべたついた体を綺麗に洗い流して、お風呂からあがると、ちょっと冷めてしまったコンビニおでんを温めなおして、ふたりで食べる。

 激しく愛し合ってる時も幸せだけど、こんなふうに一緒に食事したり、まったりしたり、そういう何でもない普通の時間も、すごく幸せ。

 こういう気持ちも、やっぱりうまく言葉にできないけど。

 ふと視線が合うと、幸太郎は「わかってるよ」とでもいうように、にこっと笑ってくれる。

「あー、もう。タマゴの黄身、ついてるよ」

「え、どこ?」

「口の横。ほら、ここ」

 手を伸ばして、彼の口元の汚れを拭ってあげる。

「もちょっとお行儀よくできないの? ちっちゃい子じゃないんだから」

「うん、ごめん」

 てへっと笑うその表情は、ほんと、ワンコみたい。

 私の彼はハンサムでかっこよくて、でもどっか抜けてて、ちょっと残念。

 でも、私のことを一番良くわかってくれる、最高の彼!

-FIN-

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