清掃のパートへ行った時、単身赴任で引っ越してきた男性のゴミ出しの手伝いをしたら成人雑誌をバラバラに散らかしてしまい、そのことがきっかけで…。 (ページ1)

夕食が終わりキッチンで洗い物をしていたら、リビングにいる夫が、

「携帯、鳴っているぞー」

と言ってきた。

確認すると、夫に内緒で付き合っている並木さんからメールだとわかる。

ゴルフクラブを磨きながら明日のコンペの準備をしている夫は、たいして気にもせず、鼻歌なんて歌っている。

「誰?折り返したら?」

「迷惑メールみたい…」

私は、適当な相槌を打ちながら、携帯をそっとエプロンのポケットへ入れた。

並木さんと私は婚外恋愛中で、付き合いだして2年が過ぎる。

会う約束をしている日の前の晩、いつもの夕食後くらいの時間に、確認のメールが来ること
になっている。

並木さんも既婚者で、婚外恋愛なんて言うと聞こえはきれいだが、ダブル不倫には違いない。

私よりも一回り年上の並木さんは、今年57歳になる還暦目前の男性。

現在は単身赴任中で、こっちにきて2年なる。

私たちの関係は、並木さんが単身赴任でこっちに来たと同時にスタートした。

出会いのきっかけは、私が掃除のパートに出掛けているマンションに並木さんが引っ越してきたこと。

引越当日に話してみると雰囲気もよく、この辺りのことをまだわからないというので、パートの仕事が終わった後、一緒に周って案内することになった。

「単身赴任って大変ですね」

「いやぁ、結構一人って慣れると気楽なものですよ」

そんな話をしながら、よく行くスーパーやドラッグストア、美味しいお惣菜屋さん、郵便局の場所、病院、銀行…と簡単に説明しながら一通り案内して帰ってきた。

「かずみさんは、次いつ仕事に来られますか?」

「次の金曜日になります」

「そっかぁ、平日だと仕事だからお会いできないなぁ…」

「お休みは土日ですか?仕事の日は自分で調整できるから土曜日に入れようかな」

「そうなんだ!土日だったら、またお会いできるかもしれないですね」

並木さんと関係が急接近したのは、仕事を土曜日に入れた日のことだった。

「こんにちは!生活慣れました??」

マンション内の階段部分を清掃していた時、並木さんがゴミ出しをするために家から出てくるところに出くわした。

「かずみさん、お久しぶりです。今日お仕事だったんですね」

「ええ、土日なら…ってこの前教えてくれたので、もしかしてって思いました」

そう言うと、並木さんはとても嬉しそうに笑っていた。

両手にいっぱいのゴミを持っていたので、私は手伝ってゴミ置き場の倉庫まで一緒に運んだ。

「資源ごみはこの棚に置いてくださいね…」

そう言いながら、たくさん雑誌が入った紙袋を私が受け取ろうとした時、

「イヤイヤ…これは私が…」

と並木さんが言って紙袋を引っ張った瞬間、破れて雑誌が散乱してしまった。

慌てて拾おうとした時、雑誌の表紙が見えてしまい、アッ!っと思った。

どの雑誌も成人向け雑誌だったからだ。

前のページ

/5