昼休みの新人研修室で性悪男に挑発されるから…SとSの攻防戦 (ページ 2)

私はヒールの踵を思い切り床に叩きつけながら入り口へ向かい、ドアの鍵を閉めて唸るように低い声で問う。

「…私がいつ、マグロになったっていうのよ」

「あん?あの程度で自分はマグロじゃありませんってか。片腹痛いよ?」

「言ってくれるじゃない」

カッカッカッカッ、カシャン

三鷹まであと3歩、といったところで胸元に指していたボールペンをわざと足元に落とす。

「何?」

「拾ってくれない?」

「ふぅん…いいよ」

ボールペンを拾おうと右腕を伸ばしながら腰をかがめる三鷹。

その時体重が最もかかっているだろう右脚を、私は思い切り左脚で払いながらネクタイを掴んで床に押し倒す。

「…なにしてくれんの」

「私のテクをお忘れのようですので?ナニ、してやろうかと思って」

「それはまたダイタンですこと。でも本当に忘れてたのは自分でしたってオチだけは勘弁しろよ?」

「挿れさせて下さいって言わせてやる」

「やれるもんならやってみろ」

片眉がそれはそれは楽しそうに釣り上がり、更に私を煽るように完璧な笑みをみせる口元。

―今日こそはその口から謝罪の言葉を引きずり出してやる

憎らしくも柔らかそうな薄い唇に私は噛み付いた。

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