「この泣き顔、たまんないっ…」甘々なドS彼氏に貪られる雨の夜 (ページ 2)
隙間からちらりと覗く切れ長な瞳にどきりとする。
促すような視線に頬が火照った。
「全部好きなんだけど…」
「…だけど?」
「目が、ね…特に好き、だなーなんて…」
だんだん小さくなるわたしの言葉とは逆に、彼は少し驚いたような表情を浮かべて顔を上げる。
うわ、これなんか凄く恥ずかしいような…。
「…そんなの初めて聞いた」
「は、初めて言ったし…」
今が夜で良かった。
この少ない灯りの中ではきっとわたしの顔が赤くなっていることには気付かれないだろう。
そう思っていたのに直様「顔赤くなってるよ」と指摘されて、穴があったら入りたい気分だった。
それをかき消すかのようにお酒を煽り、なんとか本題に戻す。
「…で、響はどうなの」
「僕は…そうだなぁ…」
んー…と少し考えるような素振りの後、勢いよく肩を掴まれ引き寄せられる。
突然の出来事にバランスを崩し驚いていると、至近距離から覗き込むように見つめられて再び頬が火照るのを感じた。
そしてだんだんと距離を詰めてくる彼に瞳を閉じるが、来ると思っていた感覚がなかなか来ず、おずおずと瞼をあげれば先程よりもさらに近くから見つめられていた。
「…そういう表情とか好きだよ」
そんな事を飄々と言ってのける響にくらくらした。
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