散々な1日を過ごして帰ったら…半擬人化した愛猫にすみずみまで舐められちゃう (ページ 3)
気づいてくれてうれしいとも言いたげなクロ(?)から事情を聴くと、昼寝から目が覚めたら、いつのまにか人間の姿になっていたらしい。
ゆらりゆらりと嬉しげに揺れる尻尾に、すりすりと擦り付けられる顔、ぴこぴこ動く耳。
何より首についている、お気に入りの青い首輪がその証だ。
「……ちょ、と、とりあえず、服っ……!!」
先ほどから暖かいというよりも熱い肌が触れて、何となく気恥ずかしいのだ。
一方のクロはまったく気にしていないようで、きょとりと目を丸くして首を傾げた。
「どうして?」
「どうしてって……」
まさか飼い猫に「変な気分になるから」なんて言えず、もごもごと口を動かしていると、べろりと何かざらざらしたものが頬を這って、ひゃっと首を竦めた。
そのまま、ぺろぺろと頬を舐めまわされる。
「由紀、なんか、しょっぱい味がする……」
「ん、あ、雨かな……? ふふ、くすぐったい!!」
クロはやや塩っ気のあるその味を気に入ったようで、きゃあきゃあいいながら身じろぐ由紀のことも意に介さず、あちらこちらを舐めまわしてる。
由紀も最初は笑い交じりに身をよじっていただけなのだが、その舌が首に差し掛かった時、びくりと体が跳ねた。
「ひあっ……!?」
「どーしたの、由紀?」
「や、んっ! だめ、クロ、首はだめっ!!」
「なんで? おいしいんだもん、もっと欲しい」
「だめ、んっ!! だめったらぁ! んんっ……」
ただ舐められているだけなのに、ぼっと体が熱を帯び始める。
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