兄弟のように育った幼馴染と一線を超える夜…。彼氏と別れた私を一晩中となりで慰めてくれる優しい幼馴染に甘えてしまって…!? (ページ 2)

私はタツが何かを言い終わる前に、タツのひろい胸に自分の身体を押し付けて抱きついた。

「…ミナ…」

「ごめん…タツ…私、どうかしちゃったみたい…」

ごめんと口では言いながら、私の身体はタツを離すことができなかった。

「…今日だけ…今日だけ、許して…」

震える声で絞り出すと…タツは、まるで私の身体を当たり前かのように包み込んだ。

不思議なことに、私とタツの身体は、まるで最初からそうだったかのようにぴったりとくっついて、離れることができなかった。

心地いい…。

「オレたち、幼馴染だよな?」

タツは私の瞳を覗きこみながら言った。

わかっている…私たちは、恋人同士でもなんでもない。ただの幼馴染だ。

なのに、今私は傷ついていて、タツに身も心も慰めてもらいたいと思ってしまったのだ。

もっともっと、その優しく心地よい手で癒して欲しかった。

「…わかってる?…もう、元の関係には戻れないぞ…?」

タツの大きな両手が私の顔を包んだ。

私を包むタツの手が、あたたかい…

確認するように覗き込まれる瞳を、じっと見つめ返す。

タツの瞳には、戸惑いと、それでも私を慰めようと真剣な気持ちが揺れていた。

うなづく代わりに、そっと目を閉じた。

涙が頬を伝った。

…チュッ…

タツの唇が、初めて私の唇に触れた。

…チュ…チュッ…チュゥ…

堰を切ったように、何度も何度も私の唇にタツはキスをした。

…柔らかい…心地いい…キモチイィ…

啄むような短いキスと、吸い付くようなキスを交互にされる。

そのまま、頬に、瞼に、耳に、おでこに…タツは何度も何度もくりかえしキスの雨をふらしていく。

こんなにも愛おしそうに何度もキスされるのは、生まれて初めてだった。元彼の時でさえ、こんなにキスされたことはない…。

ぼぉっとする頭の中で「身体の相性」というタツの声が脳裏に浮かんだ。

タツとキスをした瞬間、私の身体はわかっていた。

私とタツは身体の相性がいいのだと。

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