別れた彼と人波でごった返す花火大会でまさかの再会… (ページ 2)

「離したら誰のところに行く気なの」

「え?」

「俺と別れたのも、その人と付き合うから?」

 自分の言葉につられたように感情を高ぶらせ、また瞳を怒りに濡らした。

「そんなの絶対に許さない」

「卓也、」

 そんな人いない。別れたのは、卓也の心が私に向いていないのが分かってむなしくなったから。そう言うこともできなかった。

 別れは私から切り出したのだ。デートに誘うのがいつも私からなこと、連絡をくれないこと、好きというのも私だけで卓也から言われたことがないこと。つまらないほどどこにでも転がっている不満を、意を決してさらけ出した。

 卓也はなにも言ってくれなかった。

 別れようと告げても卓也から言葉はなくて、それこそ答えだと思い知った。

 好きだよとか、別れたくないとか、そんな言葉を期待していた。

「茜は俺のだ」

 一体この人は誰なのだろう。そう思ってしまうほど卓也は私を求めてみせた。卓也はポケットからハンカチを取り出すと、あっという間に私の手首を縛りあげた

 太股をなでながらひざまずく。下着に押しつけられた鼻先から熱い息が秘所に吹きかかり、縛られた両手で卓也の頭を離そうと押す。やっぱりびくともしなくて、その適わなさに懇願するような情けない声が出た。

「いい匂いがしてるよ」

「やめて……」

 大事なところを布越しに舐めあげられ、のどの奥から高い声がせりあがる。口に手を当てて必死に声を殺した。

 巨大な太鼓でも打ったような音とともに空気が揺れる。光の筋が笛の音とともに夜空を切り裂いて駆け上り、一瞬見えなくなってから弾けた。すぐそこの場所から歓声が上がる。卓也のつむじや整った鼻筋や短いまつげが一瞬鮮やかに照らされた。胸が震えた。

 卓也はうつむけていた目をあげて、じっと私を見つめる。すぐにもう一発、さらにもう一発と、つぎつぎに火花は弾けて首筋も胸も太股もそのたびに色を変えた。

「茜、きれいだ」

 ひざまずいたままで、うわごとのように卓也は呟いた。卓也がそんなふうにほめるなんて本当になかったから動揺したし、それ以上におへその奥がずくりと疼いた。

 卓也は両手で丁寧に膝を閉じ、裏腿から尻の丸みに手を這わせて下着を下げる。右の足首をつかまれ持ち上げられて、片足から下着を取り払われた。

 すっかりされるがままに足を開くと中心部がひやっとしていた。自分がどんな状態になっているのかたやすく想像できてしまった。それを裏付けるように卓也の舌は私の太股の付け根にちろちろと舌を這わせ、恥丘はべたつきを落とそうとしているように丹念に舐め上げ、花弁にたどり着くと溢れるものすべてを飲み干す勢いですすり、のどを渇かした犬のように懸命に舌を動かし、芽に唇を押し当てて勃起したそこをさらに引きずりだそうと吸い上げた。

「ひっ、……んうう」

 いっそ大声で喘いでしまいたくなる快楽の刺激に、浴衣の袖へ歯を立てた。腰ががくがく震えて立ち続けるのだってやっとだというのに、卓也はぜんぜんやめようとしない。それどころかしとど濡れた花壷に指を潜り込ませてよけいに高ぶらせられた。女芯をしゃぶられうごめく指をさらに増やされて内から外から責め立てられ、

「も……く、ふっ……いやあ!!」

 容易く限界は来て、果てた。崩れる火花の音とともに体がばらばらになってしまいそうだった。

 食わえ込んだ指をもっと奥へ深くに欲しくて私のナカがけいれんした。なのに卓也は、名残惜しいとむしゃぶりつく花弁の間からあっさり指を抜いた。杭を失った蜜の通り道がひくついて、あふれこぼれて糸を引く。

 腰が砕けてしゃがみこみそうになる私を抱き留めて、卓也は人差し指と中指を見せつけるようにねぶった。水飴でも巻いたようにぬっとりと白く濁った粘液を口にくわえ、じゅっと音を立てて飲み込んだ。

 連続花火の破裂音すら敏感な肌にびりびりと刺激を与え、息を上げながらすっかりうるんだ視界に卓也を映す。私の視線に気づいた卓也はきれいにねぶった指でハンカチを外した。

 卓也のボトムは前に大きく突っ張っていた。自分の卑しさに首まで熱くなるけれど、早く欲しくってのどが鳴るくらいだった。ジーンズを爪でひっかきながらねだった。

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