昔いじめられていた少女を助けたら、結婚しようと言われて…数年後、イケメンになって求婚されました!
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昔いじめられていた少女を助けたら、結婚しようと言われて…数年後、イケメンになって求婚されました! (ページ 1)
仕事帰り、電車を降りて改札を抜けると、冷たい風が頬を撫でた。
今日も疲れたなぁと足を引きずるように歩いていると、視界の端にスーツ姿で長身の男性が立っているのが見えた。
一瞬、目が合った気がしたけど、気のせいだと思ってそのまま通り過ぎる。すると、
「りかちゃん?」
背後から名前を呼ばれて、思わず足を止めた。振り返ると、さっきの男性がこちらに向かって歩いてくる。
背が高くてスタイルが良く、短く整えられた髪にきりっとした顔立ち。
すごい、芸能人みたい…道行く人々が自然と彼に視線が吸い寄せられていく。
こんなかっこいい人知らない…はずなのに、なぜか懐かしさが胸をよぎった。
「あ、あの誰ですか?」と戸惑いながら尋ねると、彼は穏やかに笑って言った。
「俺やおれ、優里」
ん?誰だ?優里?よくある名前だけど知り合いに優里って男の人いたっけ?…
と戸惑っていると…
「ほら小学生のとき、いじめられてて…りかちゃんにかばってもらってたやん」
え?あの、男子からいじめられていた小柄で髪が長くて可愛らしい…女の子?
私は小さい頃、大阪に住んでいた。そこで優里と出会った。優里はおとなしく気弱でよく男子からいじめられていた。当時、身体が大きく正義感の強い私は、優里の周りにいるいじめっ子たちを追い払っていたのだ。
その後、私は親の転勤で遠くに引っ越してしまい、優里にお別れの挨拶もできないでいたっけ…
「嘘…あの優里?」
「うん。久しぶりやなー、りかちゃん。」
彼の笑顔を見てようやく気づいた。あの頃と同じ、優しくて綺麗な瞳。それでも、あまりに変わりすぎていて、現実感がない。
「でも、優里って…男の人だったの?」
「せやで。小学生の時は髪長くて女の子見たいってよく言われてたなー。もしかして、りかちゃん俺のこと女の子やと思ってた?」
スーツの似合う大人の男性に成長した優里が目の前にいるなんて、信じられない。
「うわーずっと会いたかってんりかちゃんに…こんなとこで会えるなんて奇跡やわー」
私は何か言おうとしたけれど、次の瞬間、彼の言葉が私の思考を止めた。
「りかちゃん、俺と結婚してくれへん?」
「――っ!?」
仕事帰りの駅前で突然イケメンからプロポーズされるなんて夢でも見ているんだろうか。
だけど、優里の真剣な表情がそれを現実だと告げていた。
「子供の頃の約束、覚えてるやんな? 結婚しようって約束してたのに、りかちゃん突然どっか転校して行ったから、この10年間ずっと探しててんで。見つからんから諦めようと思ってたらこんなところにおったんや。さあ行こか」
「えっ行くってどこに?」
「決まってるやろ。これから夫婦になるんやからたくさん愛し合うんや」
優里はそう言うと私の手を引いて歩き出した。
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