初めての女風で中学の同級生と再会。セックスに飢えた体をプロの技で溶かされて… (ページ 2)
(ついにこの日が来てしまった…)
ビジネスホテルの建物の前で、私は私の中の『今が引き返せるラストチャンスだよ!』という声と、『いい加減に腹をくくって、堂々と行っちゃいなさいよ!』という相反する二つの声に悩まされていた。
横断歩道の真ん中で立ち止まる私に、通行人が迷惑そうな視線を向けながら歩いて去って行く。
どれくらい経っただろうか。
私は漫画のように自分の頬を両手で叩き、気合を入れて新たな世界へ向けての一歩を踏み出した。
*****
「え…? やっぱり朱音ちゃん?」
ホテルの部屋に着いて、先にシャワーを浴びた。
下ろしていた髪をアップにした私を見て、誠一、と名乗った相手の男性が素っ頓狂な声を上げた。
「朱音ちゃんだよね? びっくりした~」
「え? どうして私のことを知ってるの?」
つられて私も声が高くなる。
目の前の相手をまじまじと眺めてみる。見覚えはあるような、ないような。
夫の知り合いだったらどうしよう、とここにきてまた臆病風が吹く。
「帰ります!」
「待って待って待って。俺、誠一! 覚えてないかな? 中1の時に同じクラスで、一度だけ一緒に図書委員をやったことがあるんだけど」
くるりと踵を返した私の肩を掴んで、必死な様子で捲し立てられる。
中学の時の私は今でいう陰キャで、人と遊ぶよりも一人で本を読んでいることが好きだった。
毎回のように図書委員に立候補していたけれど、毎回だったからこそ、もう一人が誰だったかなんていちいち記憶していなかった。
「俺、そんなにわかんないほど変わったかな…」
照れ笑いをすると、奇麗な二本の八重歯が見えた。犬みたいだな、と思って、過去に同じことを思った記憶が蘇る。
「え? 本当? 本当に誠一くん?」
「やっと思い出してくれた! よかったぁ」
ずるずると芋づるのように引き出されて行く記憶に、目の前の姿を突合する。
中学の時の誠一くんは、私と同じく陰キャに分類される生徒だった。陽キャは陽キャ同士のコミュニケーションが存在するけれど、陰キャは陰キャ同士で仲良くなることはほぼない。
私と誠一くんも、同じクラスでありながら、話した回数は片手で足りると思う。
「よく私だってわかったね。仲良かったわけじゃないのに」
「わかるよ。初恋の人だもん」
「え…?」
「なんてね、格好つけてみたけど。会ってすぐは自信がなかったんだ。確信したのは、首の裏のほくろを見たから…って、変態みたいだよね。ごめん」
「ほくろ…」
無意識に、自分の手のひらで首の後ろを覆う。
そして改めて誠一くんを見る。
中学の時に、ぼさっとした黒髪で、太いフチの眼鏡をかけていて、目もロクに合わなかった彼が、髪の毛をツンツンに立たせて、日焼けした肌をしている。
目線を下げていくと、バスローブの隙間からたくましい胸筋が見えて、胸が高鳴ると同時に、アソコが少し濡れた。
「誠一くん、すごくかっこよくなった」
「本当? 嬉しいな」
誠一くんの手が、私の頬に触れてくる。
私はホテルに着くまでの緊張はどこへやら、素直に目を閉じて、その手に身を委ねることができた。
唇を重ねる。10年以上ぶりのキスは、敏感に相手の唇の感触を拾い上げる。
すぐに深いキスになった。
誠一くんのたくましい首に腕を回し、引き寄せて、私からもキスを求める。
「ねぇ…、私が初恋の人だって本当?」
キスの合間、顔と顔の距離2センチのところで、囁くように質問する。
そんなつもりはなかったのに、媚びた女の声が出た。
「本当。静かに本を読んでいる姿が素敵で。でも声をかけられなくて。だから今、こんなふうに朱音ちゃんに触れることができて、すごい幸せ」
誠一くんの手が降りてきて、バスローブを捲り上げるように私のお尻に触れてくる。
柔らかく揉まれて、熱い溜息が漏れた。
「ベッド、行こうか」
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