彼の浮気現場をこっそり覗きながら、同時に一人でエクスタシーを感じる狂った私

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彼の浮気現場をこっそり覗きながら、同時に一人でエクスタシーを感じる狂った私 (ページ 1)

覗かれたいより覗きたい願望が、加奈子にはあったようだ。

 加奈子自身がそれに気付いたのは、彼に浮気をされた時だった。

 加奈子の彼、潤一は、工場に勤務していて土日が休み。加奈子はアパレル会社に勤務していて、不定休。そんな潤一の会社の仲間は、早くに結婚をして子どもがいる人も多い。

 だから、季節ごとにみんなでわいわい集まることが恒例になっていた。

 付き合って三年半、潤一から会社の話をいつも聞いていたので、加奈子は初めてみんなと潮干狩りに参加した時もすんなりと溶け込むことができた。

 もちろん、潤一の仲間も、その家族も、加奈子を歓迎してくれたことは大きい。

 そんないい人の集団の中でただ一人、去年入社した後輩の女性社員のことだけが、妙に加奈子の中でひっかかっていた。

 冬の鍋パーティーに欠席だった後輩は、潤一の話からしても、おっとりしたぽっちゃりの色白で巨乳という、男性がいかにも好きそうなタイプ。

「その後輩が潤一のことを好きになったらどうする?」

「そんなことあるわけないよ。俺が加奈子と付き合ってるのも知ってるし」

 あざとい系女子のイメージを拭うことが出来なかった加奈子は、冗談交じりで潤一とそんな会話をしたことがある。

 人の物を奪うことが好きな女は山ほどいるし、興味がなさそうにしている潤一をおとすことを楽しむタイプに違いない。

 そんな心配もあり、加奈子は早くその後輩に会って、話をしてみたいと思っていた。

 子供たちの夏休みが始まった最初の週末。夏恒例のバーベキューに誘われた。

 そして、ついに例の後輩が参加するというのだ。

 加奈子も週末が休みだったので、土曜日にバーベキューを楽しみ、日曜日は潤一の家でゆっくり過ごす予定だった。

 午前十一時に到着したが、すでに何人かの子供たちはガレージでプールに入って水遊びをしている。

「こんにちは!」

 挨拶を済ませると、潤一は男性陣、加奈子は女性陣の輪の中に入り、会話に花を咲かせる。

「加奈子ちゃん、ほんとスタイルいいよね」

「私もそう思ってた。ジムとか行ってる?」

「子供を産んだら体型がもとに戻らないわ!」

 こんな会話にも嫌味がなく、加奈子も一緒になって笑っている。加奈子は結婚願望がまだ強くはなかったが、家庭を持つ幸せも悪くないのかもしれないと穏やかな気持ちにさせてくれる癒しの時間だった。

 そんなゆったりした空気の中、ついに後輩が現れた。

「ごめんなさーい!遅刻でーす」

 そう言って入ってきた後輩は、想像以上にあざとい恰好で登場した。

 胸元にレースのついたVネックの白いタンクトップ。太ももが半分ほど見えるデニムのスカート。暑さにも負けないしっかり巻かれた髪。ベージュのネイルは白い肌の色にマッチしている。

 グロスがぷるぷる唇を強調し、なんというか家族団らんには混ぜてはいけないタイプだと思った。

 少しひいてしまった加奈子とは違い、後輩は自ら女性陣の中へ入り談笑を始める。

 なるほど…。こういうタイプか…。若さを最大限に活用しているんだ…。

 男を自分にでれでれにさせることが趣味の女。そして、なぜかイラっとさせるのに、言動が気になる女。

 潤一は加奈子に後輩のことを悪くは言わないけれど、加奈子は、潤一をこの後輩から遠ざけないと危ないと感じた。

 こんな時の女性の勘はたいてい当てるのだから。

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