「あ、雪になってる」
先にシャワーを済ませて、裸のままベッドの上に座って窓の外を眺めていた。
誠人が髪をタオルで拭いながら、私と同じように窓の外を見る。
「降り始め、見たかったのに」
私が不満を口にすると、誠人は私の頭をぽんぽんと優しく撫でた。
私の方が年上なのに、と思うけど、実はあんまり悪い気はしない。
「結構降ってるな。電車、止まらないといいけど」
「止まるよ、たぶん」
何の根拠もなく、「止まるよ」と口にする。それは予言と言うより、ただの願望だった。
誠人の手首を掴んで自分の方へ引き寄せ、私は目一杯かわいくおねだりした。
「だから、今日は泊っていって?」
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