年上男性との再会は、大人の余裕で焦らされ理性を奪われる羞恥プレイの始まりだった (ページ 2)
あっという間に土曜日になり、二人はコーヒー屋で会った。もちろん、メインはパソコン教室だが、若菜は単純に玲也と会えることが嬉しくて、いつもよりも念入りにメイクをし、早めに到着していたほどだ。
「若菜ちゃん、早い!待った?」
「全然です」
玲也がやって来たのはニ十分前。若菜も五分前に着いていた。
「待ち合わせの時間の意味がないね」
笑ってそう言う玲也だが、若菜はその玲也の上半身にドキッとする。
白いTシャツからわかる筋肉が、とても色っぽい。短髪の髪は整えられ、会社にいる三十代男性とは違ってとても若く見える。やはり爽やかなのだ。
「始めようか」
「はい」
玲也は約束通り、パソコン教室を始めた。若菜が理解できるよう丁寧に説明をする。若菜も真面目な生徒になり、メモを取ったり、質問をしたり、気付けば一時間半が過ぎていた。
若菜は玲也がキーボードをカチカチするたびに、細くて白い綺麗な指に見入っていた。
長い睫毛も、整った鼻筋も、薄い唇も、見れば見るほど中性的で綺麗だと思った。
「聞いてる?」
「は、はい」
「何?俺がおっさんだなとか思ってた?」
笑いながら若菜に聞いてくる玲也が、少し可愛く見えた。
「いや、玲也さん若く見られるでしょ?」
「どうだろう、俺にはわからなよ」
「モテますよね?絶対」
「さぁね。職場は男ばっかだし出会いもないし」
「もったいないな」
本音だった。若菜の職場に玲也がいたら争奪戦に違いない。爽やかで明るくて、話し上手。そして優しい。モテない要素がないのだ。
「若菜ちゃんもモテるでしょ?」
「私なんか全然ですよ。のっぺりした顔でスタイルもよくないし」
「ずっと変わらず可愛いのに?」
「え?あ、ありがとうございます…」
この時には、もう若菜は玲也にハマっていたのだろう。この後、玲也が食事に誘ったときは、思わずガッツポーズをするほど嬉しかったのだ。
二人は食事に地元の人気の洋食屋に行った。男性と二人きりでこんなに楽しかったのはいつぶりだろうと思うほど、若菜はたくさん笑っている自分に驚いた。
玲也の彼女になったら、こんなに楽しいデートをすることになる。玲也のキスはどんな感じだろう。どんな風に愛してくれるのだろう。
そして、どうしてこんな素敵な玲也に彼女がいないのだろう。
若菜の頭の中で妄想が膨らんでいた。一体、玲也は若菜をどう思っているのだろう。久しぶりに恋愛がしたくなっていたのだ。
「疲れた?」
少し黙っていた若菜に玲也が声をかける。
「ううん、楽しいなって思って」
「俺もだよ。でもさ、若菜ちゃん。もっと楽しいことしない?」
玲也の目が真剣で、若菜は視線をそらせない。
「楽しいこと?」
「うん、大人の」
その目には不思議な力があったのか、若菜は大きく首を縦に振っていた。
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