年上男性との再会は、大人の余裕で焦らされ理性を奪われる羞恥プレイの始まりだった

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年上男性との再会は、大人の余裕で焦らされ理性を奪われる羞恥プレイの始まりだった (ページ 1)

若菜は大学生だったころ、週末に近所のコンビニでアルバイトをしていた。

 朝、八時四十分頃、スーツ姿でやって来て必ずコーヒーと煙草を買う二十代後半の爽やかな会社員がいた。

「おはよう!」

「おはようございます」

 ほとんどの人が事務的に買い物を済ませて帰るのに、その会社員はいつも挨拶をしてくれ、とても好印象だった。

 若菜の中で「コーヒーのお兄さん」として記憶され、三年ほどのアルバイト生活の間、毎週挨拶を交わし続けていたのだ。

 若菜がバイトを辞めるとき、そのお兄さんは少し寂しそうに笑みを浮かべ、それでも若菜の新しい人生にエールを送ってくれた。

 結婚するならこんなひとがいいな…。

 そんな大人の男性への憧れが出来たのも、このコーヒーのお兄さんの影響だったかもしれない。

 その「コーヒーのお兄さん」が、二年後、地元のショッピングモールで若菜の目の前に立っていた。

「久しぶり!覚えてる?」

 懐かしい声と柔らかい笑顔。スーツ姿ではないお兄さんでも、すぐにわかった。

「あー!コーヒーのお兄さん!お久しぶりです」

「懐かしい、コーヒーのお兄さんだって」

「もちろん覚えてます。今日は買い物ですか?」

「そう、君は?」

「私は本を買いに来たんです。パソコンが上手く使えなくて」

「パソコン?俺が教えてあげるよ」

「ほんとですか!」

 平日の夜の慌ただしいショッピンモールで、二人の周りだけ時間が止まったように会話が弾む。

「お茶しない?」

「はい、いいですね」

 二人はコーヒー屋へと移動した。隣に並んだコーヒーのお兄さんは若菜よりもずっと背が高く、がっちりしている。

 レジで対面でしか話したことがなかったから、隣に並んで歩くことがとても新鮮だった。

「こんな再会があるんですね」

「ほんとだね。改めて自己紹介でもしようか」

「はい、私から?」

「じゃあ俺からいこうかな。俺は玲也、三十二歳、システムエンジニアをやってるよ」

「三十二歳?」

「なんで?老けてる?」

「いや、あんまり変わらないんだと思って。私は若菜、二十五歳になりました。至って普通の事務をしているOLです」

「若菜ちゃんか。大学生だったのにな。あ、俺のことは玲也でいいいよ」

「いや、無理です。ちゃんと玲也さんと呼ばせてもらいます」

 当時は若菜が大学生だったから、社会人の玲也が大人に見えたようだ。こうして喫茶店にいると、年の差もない普通のカップルに見える。

「事務ならパソコン必須でしょ」

「そうなんですけど…」

「今度、持ってきて、パソコン」

「そうします!ぜひお願いします」

 こうして二人は、次の土曜日の夜に会う約束をして、その日は別れた。

 そこから二人は、毎日のやり取りを始めた。玲也は独身で実家暮らし。若菜も彼がいないこと、実家暮らしだということは伝えた。

 若菜が勝手にイメージしていた玲也の派手なプライベートとは違い、読書が好きで、真面目な男性なようだ。

 大人の包容力もあり、何より若菜は玲也の話し方が好きだった。名前を呼ばれると、つい笑顔になるような、そんな優しい声をしているのだ。

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