憧れのカフェ店員の彼。ある雨の日、途中まで送ってもらったお礼に彼を自宅に招き入れ…

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憧れのカフェ店員の彼。ある雨の日、途中まで送ってもらったお礼に彼を自宅に招き入れ… (ページ 1)

行きつけのカフェで働いている律くんは、甘めのルックスに丁寧な対応で女性客に大人気だ。

ある雨の日、傘を忘れた私はちょうど上がる時間だった律くんに誘われ駅まで送ってもらった。

隣の駅近くに住んでいる私は、お礼をしたいと律くんを家に誘った。

そして、今。

「狭いですけど、どうぞ…」

「お邪魔します。さっそくだけどタオルもらっていいかな?」

苦笑しながら律くんは自分の腕を指差す。

私に傘をほとんど使ってくれていたのか、駅にいた時よりびしょびしょになっていた。

「あ、ごめんなさい!今すぐ持ってきます」

脱衣所に置いてあるタオルを数枚持ってすぐに玄関に戻る。

律くんはカバンを下ろし、上着とインナーを脱いで上半身裸になっていた。

突然の裸に驚いて、律くんを見ないようにタオルを渡す。

「シャツまで濡れてましたか?本当にごめんなさい…」

「あはは、いいよ別に。この後本当に何もなかったし。それに…」

「え?」

突然律くんはタオルを持つ私の腕を引っ張った。

油断していたため体勢を崩し、律くんの胸に飛び込んでしまう。

「えっと…あの、律、くん?」

「ずっと気になっていた子と二人きりになれたんだから」

「…ずっと気になっていた?」

「うん。俺、さくらちゃんのことが好き」

律くんは私の頬を両手で包み込む。

そのままゆっくりと顔が近づいてきた。

雨で冷えた唇同士が重なる。

「んっ…はぁ…律、くん…」

「…この気持ちって、俺だけ…?さくらちゃんは…?」

角度を変えながら何度も唇を重ねられ、返事をしたくてもできなかった。

それでも次に離れた時、私も今まで隠していた思いを打ち明けた。

「わ、私も…律くんのことが好きです。ずっとずっと憧れてました」

「本当に?じゃあ、俺たち憧れの人同士だね」

「律くんも私に憧れてたんですか?」

「うん、毎日真剣に勉強してるからすごいなと思ってた。それで声かけるタイミング見つけられなかったのもあるけど」

明るく笑う律くんに申し訳なくなった私は、うつむいてしまう。

「あぁ、さくらちゃんのせいじゃないよ?俺が度胸なかっただけだから」

「ううん…。うれしいんです。自分に自信なんてないから、律くんにそう言ってもらえて本当にうれしい」

「俺の方こそうれしいよ」

そう言うと律くんは私をぎゅっと抱きしめる。

そして耳元で囁いた。

「あのさ、よかったら続き、してもいいかな…?」

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