初恋の彼との再会、失恋した私に彼は思いをぶつけるように私の体を求めて…
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初恋の彼との再会、失恋した私に彼は思いをぶつけるように私の体を求めて… (ページ 1)
蝉の鳴き声だけが響く静かな田舎。
夏が始まってすぐに20代最大の失恋をした私は、有給と夏季休暇をフル活用して田舎の祖母の家に帰省していた。
優しい祖母は私の様子に何かを察したのか、私にあまり干渉せずにいてくれる。
小さい頃は毎年来ていたこの田舎の懐かしさは私を癒してくれた。
「遥ちゃん、ばあちゃん、畑に行ってくるね」
「うん。気をつけてね」
「あ、そうだ。後で隣の家の雅斗くんが来るから、頼むね」
それだけ言い残して、私の返事も聞かずに祖母は畑へ向かった。
隣の家の雅斗くん。
私より5つ年上で、小さいころは兄と私と雅斗くんでよく遊んでいた。
背が高くて、面倒見がよくて、とても頼れるお兄ちゃん。
そして私の初恋の人。
鮮明に記憶を思い返すことのできる自分に少し驚きつつ、相手は昔のことだから覚えていないだろうなと淡い期待を打ち消すように麦茶を飲み干す。
「ばーちゃん!いるー?」
すると、玄関から男性の声がした。
私は、雅斗くんだな、と玄関に向かう。
「…誰?」
「やっぱり覚えてなかったか。遥だよ、雅斗くん」
「え?!遥ちゃん?!大人になったなー!」
驚いた顔の雅斗くんは、すっかり大人の男性になっていた。
少しだけ日に焼けた肌に逞しい身体、昔の整った顔立ちはそのままで、少しドキッとしてしまった。
「その発言、おじさんっぽいなー」
「うるさい。いつこっちに来てたの?」
「一昨日。夏休みでまとまった休みが取れたから、ばあちゃん孝行にね」
「そっか。あ、これ今日の夏祭りの書類」
「夏祭り?」
「おー、昔よく一緒に行っただろ?神社でやってるやつ。遥ちゃんも来なよ。若い子が来るとみんな喜ぶから」
私はまた雅斗くんのおじさんくさい発言に笑いつつ、行けたら行くと言う。
「俺、実行委員でいるから声かけて。待ってるからな」
そう言って雅斗くんは帰っていった。
意外とあっさりとした再会だったな、と少しだけ残念に思いつつ、雅斗くんの「待ってるからな」が頭に残り、浴衣余っているかな…と考えていた。
夜。
祖母に雅斗くんの話をすると、祖母は蔵から浴衣を引っ張り出してくれた。
「まぁ、かわいいわ遥ちゃん」
「ありがとう。でも、すぐ帰るつもりなんだけど…」
「いいのいいの。特別な恰好をするのも、気が紛れていいわよ」
「…ありがとう、ばあちゃん。元気でるわ」
祖母にお礼を言いつつ、私は神社へと向かう。
山の中腹にある神社には明かりがつき、村の人たちが集まって賑やかだった。
石段を登ると、私の顔を見たおじいちゃんやおばあちゃんたちが挙って「遥ちゃんかい?」と声をかけてくれる。
私は、小さい頃から可愛がってくれたおじいちゃんおばあちゃんに勧められるがままにお酒をいただくことにした。
すっかりできあがってしまった私は、ふわふわとした体を保ちながら手酌で酒を注いでいた。
すると、おじいちゃんの1人が「おい!雅斗!」と大きな声を上げた。
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