夜の海辺で交わる2人。大学最後の夏合宿で予想外の思い出作りが始まって…
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夜の海辺で交わる2人。大学最後の夏合宿で予想外の思い出作りが始まって… (ページ 1)
「あ…」
声の方に目を向けると、驚いた顔をした美幸の姿があった。
仕事帰りの駅前は人で溢れていて、立ち止まる俺たち2人を気にする人などいない。
美幸と会うのは5年ぶりだろうか。
*****
美幸とは大学で同じテニスサークルだった。
サークルは人数が多く、美幸と話す機会はほとんどないに等しかった。
単純に絡むグループが違うのだ。
そんな彼女と急に接近したのは、大学4年の夏合宿だった。
2泊3日のテニス合宿はテニスの技術研磨をうたっているが、実際はほぼ練習ナシのレクリエーション会だった。海水浴やバーベキューなど、合宿先の海を満喫するメニューが組まれている。
2日目の夜。
バーベキューで騒ぐ部員達から少し離れたところで、俺は缶ビールを啜っていた。
すると、隣に美幸が近づいてくる。
「…どうした?」
「ちょっと休憩。拓海くんは騒ぎに行かなくていいの?合宿、今年で最後じゃん」
「俺はいいよ、飽きた」
美幸はくすっと笑う。
「私も飽きちゃったの」
どちらが誘うでもなく、導かれるように夜の浜辺を散歩する。
砂に足を取られて転びそうになる美幸の手を引いてやると、彼女は照れたように頬を染めた。
空には無数の星が輝いている。
「拓海くん…思い出づくり、しない?」
やばい、ムードに流される。
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