年下幼馴染が大人の男になって再会。甘い告白と熱い瞳に見つめられ体の奥が疼いてしまい… (ページ 2)
「ちょ、近っ」
「あるの? ないの?」
「あ、あ、あ、あるけどそれがなに!」
「へーえ」
嘘はついてない。
それなのに、なんでこんなに焦ってんの、私。
「じゃあさ…」
私の前に立った将生が腰をかがめ、肩の後ろにあるベンチの背もたれに手を置くと至近距離まで顔を近づけてきた。
「な…に…」
ゴクっと唾を飲み込んで、これ以上逃げ場がないことに今さら気付く。
「エッチ、教えてよ」
将生の台詞に私の思考が停止した。
えっち?
えっちってエッチ?
は?
どういうこと?
頭の中は疑問符だらけ。
そんな私をよそに、将生はもう片方の手で顎を掴むと私の目を見つめてくる。
「聞こえた? それとももう一回言おうか?」
あんなに可愛かった将生はもういない。
今、私の前にいるのはただの大人の男なんだ。
見上げて視界に入った喉仏から目がそらせない。
「六華姉ちゃん?」
名前を呼ぶと揺れる喉仏、そのまま上に視線をずらすと端正な唇と鼻筋。
可愛いとはかけ離れた顔立ち。
だけど全体的に整っている。
イケメンになったなぁ、とか考えてると将生と目が合い気付けばキスされていた。
「…ん、?」
そのできごとを理解するのに数分かかった。
「あ…」
ビクッと肩を震わせると、将生が角度を変えてもう一度キスしてきた。
数分後、ようやく唇が離れた。
「な…んでキスするのよ」
「気付いてないの?」
「なにが?」
「六華姉ちゃん、すんげぇ物欲しそうな目で俺のこと見てたくせに」
「見てないってば」
「見てた。自覚ないんだ」
そんな目ってどういう目よ!って言いそうになったところで、将生にまた手を引っ張られる。
「んじゃ、いこっか」
「どこによ」
「ホテル。教えてくれるんでしょ? エッチ」
「いやいやいや! 教えるなんて言ってない!」
ずるずると引っ張られながらも、なぜかその大きな手を払いきれない。
「でも、嫌じゃないんでしょ?」
「え、なんでよ」
「…ほんっと、六華姉ちゃんって鈍感なのな」
「失礼ね。今バカにしたわよね」
「してないよ、可愛いって思っただけ」
「…ぐっ…」
予想外の返答に喉を詰まらせた。
いったい、どういう経験を積んだらこんな女たらしになるんだ。
「嫌なら離してもいいけど…」
「いいけど?」
「逃がさないよ、俺」
繋いでいた私の手の甲にそっとキスを落とされ私は悟った。
あぁ、私はきっと将生から逃れられないのだ、と。
こんなにも胸が苦しくなるなんて、今まで味わったことがない。
私の知ってる将生は、泣きべそかいて後ろからついてきた弟のような存在だったのに…。
背も伸びて、見上げる角度に異性を感じる。
*****
「ん…んんっ、はぁ…」
繋いだ手を離さないまま、近くのホテルに入り玄関の扉に縫い付けられるように覆われ深くキスをしていた。
不思議と嫌じゃない。
むしろ、気持ちいいとさえ思ってしまっている。
自分よりも大きな体の男が、私の行く手を阻んでいる。
柔らかく大きな舌が口内をうごめき、一通り味わうと満足そうに唇を離した。
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