私を好きだと言ってくる同僚。冗談だと思っていたのに、ある日突然キスされて…!?
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私を好きだと言ってくる同僚。冗談だと思っていたのに、ある日突然キスされて…!? (ページ 1)
「ここのパスタ美味しいでしょ」
「はい…でもなんで毎回私のことなんか誘うんですか」
「好きだもん」
目の前にいる彼は、平気な顔してそんなことを言う。会社の部署で人気がある彼は、私なんかよりもかわいい子を選べるはず。それなのに、なぜか私のことを好きだと言ってくる。
「ていうか、同期なんだから敬語じゃなくてタメ口がいいなあって言ってるじゃん」
「でも、もう癖なんですよね」
「なんか壁があるみたいで悲しいんだけど」
「すみません」
ご飯とかお出かけとか定期的に誘ってくれるけど、友人として仲がいいわけではないから、タメ口を使うのはしっくりこない。それに雫くんは私よりもはるかにできた人間だから、なんだか気を使ってしまう。
「俺、結構本気なんだけどな」
「またまたぁ」
正直モテる彼だから、私は本気にしてない。そもそも私みたいな人を本気で好きになってくれる人なんかいないと思ってる。
「冗談じゃないよ。琴乃ちゃんと付き合いたいもん」
「他の人を選んだほうがいいですって」
「なんでそうやって自分のことを卑下するの?」
「卑下っていうか、本当のことですし」
私がそう口にしたら、しばらく彼は何か考えている様子だったけど、そのままそっと手を重ねてきた。
「俺のことは嫌いじゃないってことでいいの?」
「え?」
「要するに自分に自信がないから、俺のことを受け入れられないってこと?」
「いや…えっと…」
正直、図星だと思った。きっと誰が相手でも、私は自信のなさを盾にして恋愛から逃げるんだろうなって。
「もしそうなら、全然チャンスあるって思っていいってことだよね」
「どうですかね」
「じゃあ俺が琴乃ちゃんの自信を出させてあげるよ」
雫くんはそう言うと、お会計を済ませてしまった。
「じゃあ、行こっか」
「どこにですか?」
「それは行ってからのお楽しみかなぁ」
そう言うと彼は、しれっと私の手を握って歩き出した。雫くんにタイプだとか好きだとか言われることはあったけど、スキンシップを取られることは今まであまりなかったから、緊張してしまう。
「ここだよ」
彼はおしゃれな外装のホテルに足を踏み入れた。経験がない私でも、ここがラブホテルだと気づいたのは、部屋に入った後だった。
「あ、私こういうところ来たことなくて…」
「そうだろうなって思ってた」
「そういうのはちゃんと好きな人とするべきだと…」
私がそう言いかけたのを遮るように、彼は口づけてきた。
「ちょ、話聞いてましたか?」
「好きな人とするべきなんでしょ?俺、琴乃ちゃんのこと好きじゃん」
「そういうことじゃなくて…」
「俺にとっては、琴乃ちゃんの全部が愛おしいんだけど」
困惑する私の耳元に近づいてくる彼。
「かわいくないなんて言わせない」
そう言い捨てて、彼はまた私にキスをした。
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