幼馴染の執事は、ドレスを着た私の姿に嫉妬の炎を燃やして…独占欲をむき出しにした執事に襲われる

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幼馴染の執事は、ドレスを着た私の姿に嫉妬の炎を燃やして…独占欲をむき出しにした執事に襲われる (ページ 1)

「だ、か、ら!何も無いって言ってるの、ただのパーティーだよ!?こんなドレス普通だよ!」
「駄目です、着替えてください」

私が執事の唐草を突き飛ばし部屋を出ようとしても、ガタイの良い男である唐草はぴくりとも動かなかった。
込み上げてくる怒りをなんとか飲み込み椅子に座り、大きなため息をつく。

「だって、せっかく私の成人お祝いパーティーなんだよ?私が一番綺麗じゃないと」
「駄目です」
「何で!」

明後日、父の経営するホテルで私の二十歳の誕生日パーティーが行われる。
先月本当の誕生日は済ましたけれど、明後日の誕生日パーティーもとても大切なもの。
だけど誕生日パーティーというのは表向きで、父が正式に私を跡継ぎとして周囲に知らしめる会でもある。
私と同じような未来を担う財閥令息、令嬢。財界の大物、そして有名政治家達。
その全てにこの私、花火という存在をアピールする為にも一番綺麗に美しく着飾りたいのに。

「どうして貴方は邪魔ばっかりするの!」

ベッドにあった枕を力任せに投げつけると、唐草はそれを避けるどころか上手に捉えると軽く叩いてからベッドに戻した。
唐草は同い年の私の執事であり、ボディーガードであり、兄であり弟の様な存在。
小さい頃から様々な武術の達人だった唐草を父がスカウトしてきた。

私は兄弟がいなかったから嬉しくて唐草にずっとついてまわった。
なのに、高校生になった頃から唐草は私に冷たくなった。
それまで敬語を使う事はなかったのに、急に敬語になってよそよそしい。

何か悪いことをしたか聞いても、これが本来のあるべき姿だと言って戻してくれなかった。
納得は出来なかったが、父の執事や母のメイドだって主人には敬語で話していると言葉を飲む他無かった。

そんなこんなで今まで他人以上家族未満の距離で付き合ってきたと言うのに、誕生パーティーが決まってからやけに唐草は小言を言ってくる。
兄どころか母親みたいに。

「駄目駄目ばっかり言って、私の服装の何が駄目なわけ」
「全てですかね」
「具体的に言いなさいよ」

立ち上がり唐草に詰め寄った。
背の高い彼の正面に立つと頭一つ分の距離がある。
燕尾服のネクタイをひっぱり無理矢理私の方を向かせた。

「よく見て、唐草。私のこのドレスはね。海外有名デザイナーに特注で作ってもらった私のためのドレスなの」
「はぁ」
「例えばこの胸元。私は胸が大きいタイプでは無いけれど、私の胸の形を引き立てウエストだって綺麗に見えるわ」
「なるほど」

私の説明に唐草は興味が全く無いと言わんばかりの相槌を打つ。
唐草の態度に頭に血が登るのがわかった。

私だって自己評価だが顔もスタイルも良いはずだ。
父を手伝えるように勉強だって力を入れてきた。
自分で言うようなことでもないが才色兼備と言っていいはずなのに。
それなのに、何でこの男は私を女として評価しない!

唐草の手を取り、無理矢理ドレスのスカートのスリットに手を入れさせて太ももを撫でさせた。

「私、自分の足綺麗だと思ってるんだけど。このスリットなら、私の足が映えると思わない?」
「はぁ…」

私の精一杯の誘惑にも唐草は大きなため息を付いただけだった。
呆れどころか怒気さえも孕んだそのため息に、私の怒りは収まり悲しさが込み上げてくる。

「何、私ってそんなに魅力がないわけ」

唇を突然塞がれた衝撃で、頬に両目から涙が溢れるのがわかった。
両手を握られて動けないまま、私は唐草に口を吸われている。

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