ギャップ萌えに弱い私が、失恋して弱ってる男の子を押し倒して気持ちよくさせちゃう!
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ギャップ萌えに弱い私が、失恋して弱ってる男の子を押し倒して気持ちよくさせちゃう! (ページ 1)
「失恋しちゃったんだね、かわいそう」
いつもは誰に対してもそっけない態度ばかりとってる悠慎くんが、ぽろぽろ泣いているのを見ていると絶対ほんの一瞬でも私に夢中にさせたいって思っちゃう。
「私が慰めてあげるね」
私は悠慎くんの首に手を回して、ちゅ、と可愛らしいキスをしながら押し倒した。
*****
人気のない校舎の端っこで泣いている人を見つけて私は驚いた。
ここは私のお気に入りの場所。私が連れて来る人以外がいることもあるけど、泣いている人は初めて見た。
ここがどういう場所なのか知らないのかも。静かで誰にも見られないと思って泣いてるなら、勘違いだから教えてあげなきゃ。
そう思った私は優しさから「こんにちは」と声を掛けた。その時はまだ下心があったわけじゃない。
「…なんだ?」
泣いているのに鋭く睨みつけられて、ぞくぞくっとした。
顔を見てやっと「あ、悠慎くんだ」と気づいた。知り合いだとは思わなかった。といっても、同じ学部だということくらいしか共通点はないのだけど。
悠慎くんは綺麗な顔立ちをしてるのにあまり笑わなくて、愛想も良くなくて、いつもちょっと不機嫌そうにしてる。そういうのがいいっていう女の子たちも多いけど、私はピンときてなかった。
でも泣いてる顔を見てると、「いいな」と思えてくる。いつもは全然動揺しなくて、つんっと無愛想な悠慎くんが、こんなふうに泣くなんて…
「なんで泣いてるの?」
「…関係ないだろ」
「当ててあげようか。うーん、失恋とか?」
なんでわかった、というふうに目を見開かれる。やった、当たりだ。
別に根拠があったわけじゃない。一番そうだったら面白いな、と思ったことを言っただけだ。
「ねえ、誰? 誰に失恋したの?」
失恋したってことは大学で一番かわいいあの子とか? でもあの子も悠慎くんのことかっこいいって言ってた気がする。
誰だろ、と考えていると悠慎くんが嫌そうな顔をしながら、ぼそっと名前を言った。思いもよらない名前に「え?」と思わず言ってしまう。
「え、悠慎くんが好きなのって、あの先生? あのすごく美人の? というか、あの先生って、結婚してた気が…」
「わかってる! わかってても…」
わかってても好きなんだ、と言う悠慎くんにきゅんとしてしまう。私は男の子のギャップに弱い。無口に見せかけて本当はお喋りとか、硬派に見えて甘えん坊とか、そういう男の子とはみんな関係を持って生きてきた。
この人、こんなふうに恋をするんだ。かわいいなって、悠慎くんに対して思ってしまう。こうなっちゃうともう、最後までしなきゃおさまらない。
「ねえ、ここ、なにする場所か知ってる?」
「…は? ただ単に使われてない場所だろ。建物が古いし、昔より学部も減ったから」
「こそこそ隠れて、気持ちいいことする場所なんだよ」
悠慎くんがぽかんとしてるのをいいことに、私は悠慎くんにうんと顔を近づける。
「私もよく、男の子連れ込んでるんだぁ。今日はいい人がいなくって、誰かいないかなって来たら悠慎くんがいた」
「ば、ばかな…ここは大学で、勉学に励む場所だろう!」
「うーん、その勉学に励む場所で、告白して失恋して泣いてたのは、だぁれ?」
ぐっ、と苦しそうな顔をしてうつむいてしまう。あーあ、いじめちゃった。
涙の跡の残る頬にそっと触れる。悠慎くんはびっくりして私を見てたけど、嫌がらなかった。もしかして、期待してる?
「失恋しちゃったんだね、かわいそう」
私はあの先生みたいに美人じゃないけど、でもあの先生とは絶対にできないことを悠慎くんにしてあげられる。
「私が慰めてあげるね」
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