長い間セックスを忘れていた私。それなのに義兄が私の欲望を目覚めさせてしまった。 (ページ 3)
翌朝、和真は両親の荷物を運んだり、理香子の娘に声をかけたり、いつもと変わらなかった。
「和真さん、よく眠れた?」
「はい、おかげさまで二日酔いも大丈夫です」
「あんなに飲んでたのにね」
「すぐに寝ましたけどね」
「私も何も覚えてない!」
両親と姉がけらけらと笑っている。理香子は、姉夫婦が昨晩セックスをしなかったのだと思った。
そして、ルームミラーで理香子を見るその男の視線が、確実に獲物を狙う目をしていることに気付いてしまった。
やっぱり和真は自分を襲うつもりなのか思うと、理香子の体が勝手に火照る。
どのタイミングで、どうやって抱かれるのか、理香子はそれを待ちわびている自分にも驚く。そして、いつもと変わらない姉に罪悪感を覚える。
「先に君を下ろすよ。それからお義父さんたちを送るから」
「オッケー」
午後二時。姉と別れ、そのまま車は自宅へ向かった。一体どうなるのだろう。
やっぱり悪酔いしていただけなのかもしれないと、理香子は落ち着こうとする。それでも久しぶりに火が付いた体は、なかなか冷めようとはしてくれない。
「今日はネクタイを買いに行こうと思っていたんですよ」
「ネクタイなんてたくさんあるでしょう」
「違うんですよ。取引先の女性が気難しいタイプで、明るいネクタイでもしたら場の雰囲気が変わるかと思って」
「そういうのは大事よね」
本当か嘘かもわからない和真の話に、両親が相槌を打つ。
「ねぇ、理香子ちゃん、選んでくれない?」
「そうね、理香子はお姉ちゃんよりはファッションセンスがいいものね」
「ママ、叔父ちゃんとお買い物?お土産買ってきて」
両親も娘も理香子の本心を知らないまま、和真の買い物に付き合おうことをすすめた。
理香子は和真の嘘を確信した。
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