私の上司は超イケメン。ある日誰も来ない資料室で迫られて、初めて愛を感じた日 (ページ 2)

そして週明け。

2人の距離は、急激に近くなるのだった。

今日は営業の仕事が急にキャンセルになり、浩二とゆあは暇を持て余していた。

そんな時、課長が声をかけてきて、資料室で調べ物をしてくれないかと頼まれる。

「ちょうどよかった!20XX年から20XX年までのもので頼むよ。ないと困るんだ」

「もー、課長人使い荒いですね、こっちは教えることたくさんあるのに」

「そんなこと言わずにさ。頼むよ、浩二君」

「わかりました」

浩二は渋々課長の言うことを聞いて、ゆあと資料室へ向かう。

「ゆあちゃんも、こんな地味な仕事嫌でしょ?」

「仕方ないですよ。これも仕事の一環です」

「ゆあちゃんは真面目だなあ。いいトコだと思うよ、そういうトコ」

「えへへ、ありがとうございます」

資料室は、会社の最上階にある。

普段は基本的に誰も出入りしない場所で、こんな風に雑用を任されたりするとまれに入ることがあるようだ。

「さ。さっさと済ませて早めにランチ行こっか。今日はパスタが食べたいな…、一緒に行ってくれる?」

「え…はいっ!喜んで!」

「可愛いな、ゆあちゃん。さあ、探そうか」

こんな風に、浩二はナチュラルにゆあのことをほめてくれた。

そんなところにも惹かれてしまう。ゆあはどうしようもなく、浩二が好きだった。

10分ほど無言でメモを取り続けたが、これは長丁場になりそうな予感を2人とも察知していた。

作業に飽きた浩二は、ゆあに雑談を持ちかける。

「ねえ、ゆあちゃんは彼氏とかいるの?」

「へ…、か、彼氏ですか?」

「…あ、その反応だと、居るってことだな?」

「いやいや!急に言われてびっくりしただけですよ!いないです、…結構な間」

「…そうなんだ?」

恋愛の話を浩二からしてくると思わなくて、少しゆあの胸が高鳴った。

すると、少しなら自分の話をしてもいいかな、という気持ちを起こさせる。ゆあは、自分のことを話し始めた。

「私、全然付き合っても長続きしなくて…、愛し方、間違ってるんですかね、えへへ…」

「…愛し方?」

「彼氏になった人に、溺愛してもらわないと、気が済まなくって…、壊されるまで、愛してほしいんです」

「…」

浩二は黙ってゆあの話を聞いていた。何か、思うことがあるのだろうか。

「…でも、結局、私が相手を壊しちゃって、いつも長続きしないんです。…すみません、こんな話。浩二先輩にしちゃって」

「それは、間違ってないと思う」

「…え?」

浩二は、ポツリとつぶやく。

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