木から降りられなくなった猫を助けたら、異世界で猫耳イケメンに溺愛されちゃって… (ページ 2)
ふかふかのベッドの上で目が覚めた。
ちょ…ここはどこ?
古風な洋館みたいな建物で、窓の外は森。
ドアが開いた。
「ミア、目が覚めた?」
ひゃあ。イケメン。
てろんと柔らかな素材のシャツとコットンパンツ姿のイケメンには、薄っすらとピンクの猫耳と白い尻尾が生えている。
ちょっと…どういうこと?
起き上がろうとしたら、手が使えなくて、再びふかふかのベッドに身を沈める。
両手がギプスで固定されて、包帯を巻かれているのだ。
そうだ。怪我してたんだ。
え?
軽い羽毛のブランケットを跳ねのけると、私は黒のひらひらしたベビードールを着ていて、下着はつけていないようだ。
両膝にも包帯が巻かれていて、太腿にふわふわしたものが当たっている。
尻尾?
黒くて長い尻尾は…私の尾てい骨のあたりから生えている。
ちょ…どうなってるの?
猫耳イケメンに抱き起こされた。
うわあ、顔近すぎ!
「ね、あなたは誰?」
「僕はルノ。ミアのお兄ちゃんだよ。正確に言うと、この世界のミアは僕の妹で、パラレルワールドであるきみの世界では僕らは兄妹ではないんだ」
「え?」
パラレルワールドというのは、ちょっとずつバージョンの違う世界が平行的に存在しているという、よくSF小説に出てくる概念だけど、それが本当に存在しているなんて考えてみたこともなかった。
そうだ、あの猫瞬間移動装置に入ったら、ここに飛ばされて来ちゃったんだった。
「ああ、僕の可愛いミア。ちゃんと猫耳も生えてきたんだね。もう待てない」
え?
猫耳?
ルノにぎゅっと抱き締められ、顔が近づいてくる。
やっ…ちょ…わああっ…睫毛長すぎ、オッドアイのブルーとライトグリーンの瞳が綺麗すぎ!鼻筋通りすぎ!
鼻がぶつかりそうになって顔を傾けると、唇が触れ合う。
ちゅうっと吸いつかれ、唇を甘噛みされながら舌先でちろちろと内側の柔らかいところをくすぐられる。
「んふぅ…はあっ…」
舌で前歯をこじ開けられたと思ったら、熱い舌がずぶずぶと侵入してきて、私の舌にねっとりと擦り合わされ、身体の奥がぎゅうっと疼いてたまらなくなる。
「ミア、気持ちぃんだね。尻尾がピクピクしちゃってて可愛い」
「ちょ…やめっ…てっ…」
ルノを突き飛ばそうとした。
「痛っ!」
その拍子に、手の関節が動いてしまったらしく、ズキンと痛む。
「ごめんねミア。指の骨の何箇所かにヒビが入ってたんだ。だから、動かしちゃだめだよ」
ルノはそう言うと、私の両手を頭上に上げ、枕元に置いてあった包帯を巻きつけ、私をベッドに横たえた。
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