彼の指でなんてイかない、とつい意地を張ってしまって、しつこいくらいに愛撫される私
キャラクター設定
登場人物をお好きな名前に変更できます。
milkyに掲載の小説は当サイトが契約した作家によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。
彼の指でなんてイかない、とつい意地を張ってしまって、しつこいくらいに愛撫される私 (ページ 1)
幼馴染という関係から恋人になったからか、彼氏の理人とはなかなか恋人らしい、ただ甘いだけのやり取りができない。ついつい昔と同じ態度で接してしまう。
それは私だけじゃなく理人も同じなのだと思う。
二人でいると、恋人というよりは距離感の近い幼馴染といったほうがいい雰囲気になってしまう。何でもないことで笑い合ったり、くだらないことで言い争ったり――。
だから、というわけではないけれど、肌を重ねるときもただ甘いだけの雰囲気にはなかなかならない。
「やっ、やぁ! あっ、ぁ、ん…っ」
「…気持ちよさそうだけど。俺の指じゃイかないんじゃなかったの」
「あ、んっ…ふ、気持ちいいけど…っ、別にイクわけじゃない、から…」
「へえ」
呟くように理人は言った。
そして私の中に埋め込んでいた二本の指をまたぐちゅぐちゅと動かし始める。
もう何がきっかけだったか思い出せない。
多分いつもみたいにくだらないことだったのだと思う。
理人の部屋でそういう雰囲気になって、肌に触れられているとき、また恋人ではなく幼馴染としての軽口の叩き合いが始まってしまった。
それでいつの間にか、理人の指でイッたりしないなんていうひどい話題にまで発展して――。
「んんっ、ふ、ぅ…っ」
「比奈はどこまで我慢できるかな」
「ああっ! んっ、ん、ゃ…」
ベッドの上でまで何をしているんだろう、とは思う。
仰向けの状態で寝転がる私の脚の間で、理人は蜜壺に埋めた指を丹念に動かしていた。
自分の指でイッたりしない、なんて言われたものだから理人もかちんときているのだろう。
軽口の叩き合いなんていつものことで、言ってしまったあとでどうしてあんな言い方をしたのだろう、と後悔することも多い。今だってそうだ。
いつもみたいに言い合いなんてしなければ、恋人としての甘い時間を過ごせていたはずなのに。
コメント (0)