優しい友人が狼へ!?突然押し倒されての甘い愛撫に、イくのが止められない!

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優しい友人が狼へ!?突然押し倒されての甘い愛撫に、イくのが止められない! (ページ 1)

「ね~え~、聞いてるのヒロト~!」

ガヤガヤと騒がしい居酒屋の一角で、ナオミはビールジョッキを片手にくだを巻いていた。
もう何杯目になるのかは…やめておこう。

2軒目2時間飲み放題プランも残り30分、ラストオーダーになってもハイペースを崩さないナオミの飲みっぷりに店員はお愛想100%の笑顔でグラスを片づける。
それをぼんやりと見つめながら、ナオミの頭は別のことで占められていた。

「もうアイツ最悪でさぁ!他に彼女できたから~とかふざけんなって思うでしょ!?」

ね?とヒロトに同意を求める。
ヒロトは眉を少ししかめて、そうですねと返した。

これはナオミの失恋ヤケ酒会なのだ。
はじめは女友達を誘っていたのだが、ナオミの飲みっぷりとあまりの男運のなさにさじを投げられてしまった。もう付き合ってくれるのは大学時代からの友人、ヒロトくらいなものだ。

「ナオミ、そろそろ帰りますよ。あなたも限界でしょう」

ヒロトにたしなめられて、少しふらつきながら立ち上がる。
店の前の段差につまづきそうになったナオミを見かねて、ヒロトは腕をとった。

「つかまってください。今のナオミは危なっかしいですから」

こけたりなんてしないよ。
どうだか、以前顔からいったでしょう。
そんな軽口をたたきながら、ゆっくりとナオミの家へ歩を進めた。

*****

歩いているうちにだんだんと酔いもさめ、ナイーブな気持ちが顔をのぞかせる。
ヒロトはいいやつだ。こんな酔っぱらいのダル絡みに毎度付き合ってくれて、必ず家まで送ってくれる。

もったいない。そう。私なんかが拘束してていいような男ではないのだ。
顔もスタイルもいいし、仕事もできるらしい。
きっと恋人なんてより取り見取りだろうに、自分を犠牲にしてまで私との友情を大切にしてくれている。

ナオミの心は罪悪感と喪失感でゆれたが、玄関扉を開けるころには覚悟も定まっていた。

「そろそろやめなきゃだよね、こんなこと。…今までごめん。これからはできるだけ頼らないようにするから」

鍵を開けてヒロトの方を振り返る。

「今日はありがとう」

そう言うつもりだった言葉は、口の中に消えていった。
怒っている。ヒロトが、今まで見たことがないくらいに。

「ナオミは馬鹿ですね。今まで私が、ただの親切心であなたの相手をしていたとでも?」

ヒロトはゆっくりと玄関へナオミを押し込んだ。
自分も一緒に入り、扉を閉める。
ガチャリ。鍵の閉まる音が、やけに大きく響いた。

「下心があったに決まっているじゃないですか。毎度毎度、あなたの彼氏の話を聞かされて、はらわたが煮えくり返る思いでしたよ。役得でしたけどね」

壁に背中をつけるナオミを閉じ込めるようにヒロトは腕を付いた。
でも、とことさら優しく話す。

「あなたを慰めるのは私の役目だ」

誰にも譲らない、と言い切ったヒロトの瞳は、ほの暗い熱をもっていた。

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