人混みを離れて連れて来られた海。花火の音に隠れて……

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人混みを離れて連れて来られた海。花火の音に隠れて…… (ページ 1)

「こっちこっち!」

『え、ちょっ…』

はぐれないようにギュッと手を掴まれて人混みをかき分けて、連れて来られたのはあまり人気のない暗い海。

「ほら、手貸して」

その水面に浮かぶ小さな船へと飛び乗り私に手を伸ばす。

『勝手に乗っていいの?漁師さんの船じゃない、コレ…』

「真面目すぎ。そんなのバレなきゃいいんだって。あんな人混みよりここのが絶対見やすいから」

イタズラっぽい笑みを浮かべる夏樹にドキっとして、言われるがままに差し出された手を取った。

船に腰をかけて、夜空に次々と咲く花火を見上げる。

『すごい!綺麗!』

「な?ここ忍び込んで正解だろ?」

見つめあえば、ふたりの間に自然と流れる甘い時間。

どちらともなく触れるだけの軽い口づけを交わした。

「浴衣ってズルいよな」

『ズルい?なにそれ』

急に私の浴衣に手をかけた夏樹が左右に引っ張る。

胸元がはだけて肌が覗く。

『ちょっと…!』

「こんな脱がせやすい格好して…俺を誘ってんの?」

顎を掴まれて綺麗な瞳で見つめられて、ゆっくりと近付いてくる夏樹の顔。

目を閉じればゆっくりと重なるふたつの唇。

さっきの優しいキスとは全く違う

まるで体の芯から溶けてしまいそうな程の、熱く甘いキス。

『ふ…っ…ンっ…』

徐々に心臓が高鳴って、火照り始める身体。

「エッチな気分になっちゃった?」

『ん…、でもダメ…こんな場所で…』

「こんなところだからこそ興奮するんだろ?」

夏樹の大きな手が私の胸を優しく揉む。

『誰かに来ちゃ…ンンッ…』

「今頃みんな花火しか見てないって。」

その手はゆっくりと下へ伸びて、私の下着をずらして指でなぞる。

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