兄を愛してしまった私。2年ぶりの再会に秘めた思いが溢れてしまって…
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兄を愛してしまった私。2年ぶりの再会に秘めた思いが溢れてしまって… (ページ 1)
蝉の声が聞こえる。
私は体を仰向けにして寝そべり、薄暮の空に浮かぶ雲の行方を追った。
そろそろ兄が帰ってくる。
兄は2年前に田舎のここを出て、都会での暮らしを選んだ。家を出て初めての帰省になるから、彼に会うのは2年ぶりだった。
兄と私に血のつながりはない。
両親の再婚で高校2年生の時にいきなりできた兄だった。
互いに20歳を超えた今は兄妹であることに抵抗はないが、当時の私はかなり居心地の悪さを感じていた。いきなりできた兄に、どう接したらいいのか分からなかったのだ。
兄の方も、きっと同じように思っていただろうから、お互い様なのだけれど。
玄関の戸が開く音がした。
母の明るい声と歓迎の言葉が聞こえる。
兄が帰って来たらしい。
2年の間に兄は変わっていた。
身なりが、ここにいた時よりも洗練されているし、言葉づかいも少し違う。
その気付きが私を寂しくさせた。
「祥子」
兄が私を呼んだ。
そして手を引かれる。
「テンション低いな、今日。疲れてる?…俺は久々に祥子の顔が見れて嬉しいよ」
「…うそ」
「祥子?」
兄が心配そうな顔をして私を見ていた。
家族を心から思いやる、そんな視線に苦しくなる。
「私のことなんて忘れてたでしょ?」
兄を見つめる目を逸らす。
私は今日を楽しみにしていた。兄に会えるから。私は一人の男性として兄のことが好きだった。初めて会った日から、兄を兄と思ったことはない。私にとってずっと好きな人で、それは今も変わらない。
けれど兄は違う。
兄にとって私はただの妹で…
突然強い力で腕を引っ張られた。
*****
「っん!はぁ…」
突然抱きしめられ、キスをされる。貪るようなキスにうまく息が吸えない。ようやく解放され、兄を見ると、怒ったような顔をして私を見つめていた。
「祥子のことを忘れたことなんて、ない。会わない2年間、ずっと。…でも、ここに来ることができなかった。我慢できないのを知ってたから。俺は…祥子を妹なんて思えないんだよ」
兄の手が服の隙間から侵入する。腹を撫で、少し迷うようにして、そうして下着に上から胸に触れた。
「このまま、祥子を抱きたい」
嫌なら逃げて、と兄が耳元で小さく言った。
声が切なく震えていた。
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