アルバイト三昧で疲れきった私を、後輩くんが全部包み込んでくれる幸せえっち
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アルバイト三昧で疲れきった私を、後輩くんが全部包み込んでくれる幸せえっち (ページ 1)
「暇ですね」
「だね」
そう言ってきたのは、同じファミレスで働くバイト仲間の望月くん。
「っていうか、雪美さんさすがに働きすぎじゃないですか」
「そうかな」
「だって雪美さんも僕と同じで、大学生なのに週5、6とかで働いてて。バイト先ここだけじゃなさそうだし」
「…何で知ってるの?」
「カラオケとかコンビニとか行ったときに見かけました。なんでそんなに働くんですか?」
望月くんがそう言いかけたときだった。耳をつんざくような音がすると同時に、夜の空が明るく光った。
「うわ、おっきい雷」
「めちゃくちゃ雨降ってるじゃん」
「うそ。傘持ってきてない!」
「望月くん、まじで言ってる?」
「まじです」
「傘なしで帰れる雨の量じゃないよ」
「まぁ、身体には自信あるんで」
「望月くんが相合傘気にしないなら送っていくけど」
「いいんですか!」
私の提案にきらきらと目を輝かせる彼。
「じゃあもう少し仕事頑張りましょう」
「はい!雪美パイセン~」
そう言うと、彼は軽やかな足取りで、テーブルの食器を片付けに行った。
*****
「にしても、強い雨だね」
とっくに日付の変わった街を、2人並んで歩く。
「あ、さっき聞きそびれたんですけど」
「ん?」
「雪美さんは、なんでそんなに働くんですか」
「あぁ…お金ないから。それだけ」
「でも雪美さんってお金雑に使わなそうなのに」
「…私の家、母子家庭なんだ。しかも3人兄弟。だから大学の学費自分で稼ぐしかなくてさ」
「そう、なんですね」
なんだがバツが悪そうに返事をする望月くん。
「そんなに気まずそうにしなくていいよ。学費と下2人の教育費と、あとまぁ一人暮らしだから家賃とか稼いでる。なかなかタフでしょ」
「お母さんは働いてないんですか?」
「働いてるけど、4人で生活するにはなかなかね。あ、もう私は自立してるから3人か」
「なるほど…」
「はい、この話終わり」
そう言って、半ば強引に私の話を終わらせる。
「望月くんの家どこ?」
「あ、もう着きます。そこの角を右に曲がったら」
彼の言った通り、角を曲がるとアパートが現れた。
「ありがとうございます、助かりました!」
「どういたしまして」
「雪美さんの家はどこなんですか」
「ここからだと1時間くらい歩いたところかな」
「は?」
「いつもは自転車でバイト行ってるから、そんなにかからないんだけどさ」
「…泊まっていきますか?」
「いやいや、そんな迷惑かけられないし」
そうやって断ろうとした私のおなかが、小さく鳴る。
「雪美さんおなか減ってるんでしょ」
笑いながら望月くんが言う。
「僕もです。泊まるかは別として、ご飯食べていってください。ほらほら」
彼に背中を押されて、私はアパートの中に入った。
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