仲良しだけどセックスレスの夫婦、久しぶりに夫婦二人きりの時間ができて一緒に晩酌をするが…

「ただいまぁ」

「おかえり」

仕事が終わり帰ってきた夫の啓介を、私は微笑みながら出迎える。

「子どもたちは？」

「もう寝てるよ」

今日は子どもたちの寝かしつけもスムーズにできて、私は上機嫌だった。

「啓介も今日は仕事終わるの早かったんだね」

「そうなんだよ。珍しく終わるの早くってさ。嬉しい？」

ニヤニヤしながら啓介が聞いてきた。

「うーん、嬉しい！いや…やっぱり嬉しく…嬉しい！」

「なんだよそれ！嬉しくないんかい！嬉しいんかい！？」

啓介は笑いながら、ツッコむ。

啓介と私は3歳と6歳の子どもがいる結婚7年目の夫婦だ。

まわりからも面白く仲の良い夫婦だと言われていているくらい、夫婦仲はよかったが、その仲の良さが逆に恥ずかしさを生み出してしまい、セックスレスへとなってしまっていた。

何度かそういう雰囲気になりかけるも、やはり気恥ずかしさが勝ってしまい、なかなかセックスへと踏み出せずにいた。

「ねぇねぇ久しぶりに夜はゆっくり出来そうだし、この前話題になってた映画、あれ見ない？」

私は啓介に問いかけた。

「いいねぇ！あれいつ見れるかなーと思ってたんだよ！せっかくだし晩酌もしちゃうか！そしたら先に風呂チャチャっと済ませちゃうね」

そう言うと啓介はお風呂へと向かった。

その間に私は、夜ご飯や晩酌の用意をし、映画を見る準備をする。

「（久しぶりの晩酌に映画鑑賞、楽しみだなぁ）」

私はワクワクしながら机やソファを整えた。

＊＊＊＊＊

啓介がお風呂から上がると、二人でソファに座り、映画を見ながら乾杯をした。

映画の内容はなかなかシビアだったものの迫力があり、面白くて夢中で映画を見ていたが、ところどころでエロいシーンが入ってきた。

なんだろうか…この、家族とたまたまエロいシーンをテレビで見てしまって気まずいあの雰囲気のような…そんな空気が啓介と私の間に流れる。

「（セックスレスになって２年にもなるんだもん。無理もないわ）」

私はちょっと切ない気持ちにはなったものの、面白い展開で映画は幕を閉じた。