森で助けた男の人が実は狼だった!?狼が発情期を迎える満月の夜に、捕まってしまった赤ずきんの私 (ページ 5)
「んんっ、あっ、あんっ!もう、無理、ぃ…っ、突くの、もう、やめ…っ、あんっ、やぁっ、あっ、あああっ!」
過ぎた快感にじたばたともがこうとする私を、ヴェールさんはいとも容易く押さえ込んでしまう。快感を逃がそうと腰を浮かせるたびに、肉棒が勢いよく突き下ろされ、寝台がぎしぎしと音を立てる。
乱暴に杭を打ち下ろすような抽送に、狼に犯されているという実感が甘やかに湧き上がってくる。
このままでは、すっかり溺れてやみつきになってしまう。
発情した獣が、ただただ欲望を発散させるためだけの交合。叩きつけられる欲望を受け止めるたびに、私の中の被虐的な何かが満たされるような感覚がした。
*****
「…おはよう、ルチア」
朝の日差しで目を覚ますと、鼻と鼻が触れそうなほどすぐ近くにヴェールさんの顔があった。夜を超えて落ち着いたのか、耳は引っ込んでいる。
「おはようございます、ヴェールさん」
ヴェールさんはどこか申し訳なさそうな表情で、私の顔を覗き込んでいた。昨夜の獰猛な色気はすっかり鳴りを潜めていて、どこか少年性すら感じさせるいじらしさがあった。。
その日から、ヴェールさんは私の小屋に住み着くようになった。
この小屋はそもそも祖父と祖母が二人で暮らすために建てられたもので、私室として使える部屋がちょうど二部屋ある。
祖母が亡くなってから使い手がいないままだったもう一つの部屋を、ヴェールさんの私室として使ってもらうことにした。
…と言っても、夜毎体を重ねて眠りについている私たちには、ベッドは一つあれば十分だったかもしれないけど。
ヴェールさんからは、人狼族についてたくさんのことを教えてもらった。
人狼族は満月の夜に発情期を迎えて、人を襲ってしまうようになるのだという。襲うとはもちろん、性的な意味のほうだ。
ふと、昔々に祖母から聞いた言葉を思い出した。
―悪い狼に食べられてしまうから、決して森の奥に行ってはいけないよ。
人狼族に人の肉を食らう趣味はない、とヴェールさんは言っていた。「狼に食べられてしまう」とは、つまりそういうことだったのだ。
…いつか姿を消してしまったという村の人々も、もしかしたら森のどこかで、人狼族の愛しい人と一緒に暮らしていたのかもしれない。
人間のそれよりも少しだけ高いヴェールさんの体温にくるまれながら、私はぼんやりとそんなことを思った。
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