かつて憧れていた人と偶然の再会。けれどそれは、許されない関係へと発展し…
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かつて憧れていた人と偶然の再会。けれどそれは、許されない関係へと発展し… (ページ 1)
「三十になってもお互い独身だったら、その時は結婚しないか?」
大学の卒業式を終え、ゼミで打ち上げをしていた時のことだった。
酔っ払っている私にそう言ったのは、それまであまり話したことのなかった同級生の祐樹。
イケメンで明るくて人気者の彼は、地味な私からすると雲の上の存在だった。
そんな彼と、打ち上げでたまたま席が隣になって話していたら、意外に盛り上がって…。
そしたら、彼がそう言ってくれたのだ。
一時の気の迷いで、彼も酔っ払っていたのはわかっている。
でも、密かに彼に憧れていた私にとってそれは、夢のような出来事だった。
あれから八年。
三十になった私は、まだ結婚をしていない。
*****
「おめでとう!旦那さんと末永く幸せにね」
「ありがとう、凪!」
真っ白なウェディングドレスに身を包んだ友達は、パッと華やかな笑みを浮かべた。
友達の結婚式に呼ばれるのは、これでもう何度目だろう。
私はいつもお祝いする側だ。
婚活はやってみたけど失敗続きで、辛くなってやめた。
彼氏ができる気配はない。
幸せそうな友達の姿を見ていると、おめでたいことなのに辛くなる。
私だって幸せになりたい。
そんな気持ちを抱えたまま、式場を出た時だった。
「凪!」
懐かしい声に名前を呼ばれて振り返ると、彼がいた。
あの頃とちっとも変わっていない、私が憧れた時のままの明るい笑顔。
その笑顔に、一瞬で心を奪われるのを感じた。
「久しぶり。凪は全然変わってないな~」
「祐樹こそ。ていうか、結婚式来てたんだ」
「凪に会えるかな~と思って。なあ、よかったらこの後どこか飲みに行かないか?久しぶりにゆっくり話そうぜ」
二次会に行くつもりはなかったから、私は誘われるがままに店に向かった。
彼に話しかけて貰えたのも、私目当てで結婚式に来てくれていたことも、全部嬉しかった。
そしてそれを機に、私たちは定期的に会うように。
最初は居酒屋。
そのうちバーで会うようになり、やがて…。
「早く凪に会いたくて仕事切り上げてきた」
「ふふっ、嬉しい。んっ…」
私たちは、ラブホで会うようになった。
濃密なキスをしながら、ベッドに倒れ込む。
祐樹は乱暴に私のシャツを脱がし、感触を楽しむように胸を揉みし抱いた。
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