久しぶりに会えた年下の彼。彼に手を引かれながら部屋に入ると…
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久しぶりに会えた年下の彼。彼に手を引かれながら部屋に入ると… (ページ 1)
ピンポーン…
予定時刻の3分前。
来訪を告げる、チャイムが鳴った。
「…は、はいっ」
「藍那、来たよ」
その声で、1つ年下の恋人である和貴だとわかる。
今日は、彼と二人で家でのんびりすると決めていた。
会って、話して、触れ合って。
二人で過ごそうと。
「お邪魔しまーす」
「ど、どうぞっ」
藍那は少し緊張気味に、彼を家に招き入れた。
緊張の原因はといえば、彼と会うこと自体が久しぶりであったことと、それになにより、期待しているということ。
彼の、自分に触れる優しい指やその体温を、早く感じたかった。
そしてその期待は、極度の緊張となって藍那を襲う。
「わっ!?」
「うわ、藍那危な……っ」
ぎゅ。
玄関の段差に躓いて転びそうになった藍那を、和貴が後ろから抱きとめる。
いきなり密着してしまったことにより、藍那の心拍数は一気に跳ね上がった。
「セーフ……だね?」
「っ、あ、ありがとう…」
耳元で小さく囁かれ、一瞬肩が揺れる。
藍那は、そんな些細な接触にさえ反応してしまう自分を恥じた。
和貴は、藍那のそんな心境を知ってか知らずか、藍那を後ろから抱き締めたまま離そうとしない。
「っ、和貴…、私、もう大丈夫だから…」
「そう?こんなに心臓、うるさいけど」
「…ちょ、ここ玄関……っ」
胸に忍び寄った和貴の指を軽く制し、場所の変更を促す。
和貴は素直に、部屋の奥へと進んで行った。
藍那の手をしっかりと握って。
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