義理の兄は私のもの。姉にはもう手が届かない、私と彼の甘すぎる関係
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義理の兄は私のもの。姉にはもう手が届かない、私と彼の甘すぎる関係 (ページ 1)
「あっああああ!いく!」
姉夫婦の寝室の前で、私は足を止めた。
「…………」
姉の喘ぎ声ばかりが大きくて、達也さんの声は少しも聞こえない。
それはそうだろう。
達也さんは、姉を愛してなんかいない。
達也さんが愛しているのは、私だ。
「美弥ちゃん、かわいいよ」
家庭教師だった達也さんは、いつも私の髪を撫でながら褒めてくれた。
学業優秀で家庭教師なんかいらなかったけど、達也さんと一緒にいる時間が欲しくて、わざと勉強がわからないふりをしていた。
そんなことに頓着しない姉は私の部屋に押しかけて、私の勉強の邪魔になることにも気づかず、達也さんにべったりとひっついた。
達也さんが迷惑そうにしていることにも、やはり気づかなかった。
その押しの強さで、姉は達也さんを押し倒し、妊娠して結婚した。
「美弥ちゃん、俺が愛しているのは美弥ちゃん一人だけだよ」
でも、それを大っぴらに言うことはできない。
達也さんは立派な大人で、私はまだ学生なのだ。
そっと夫婦の寝室を覗くと、ベッドに寝そべっている達也さんの上で、姉が勝手に腰を振っていた。
気持ちが悪い。
足音を忍ばせて、自分の部屋に戻った。
あんな風に身勝手にしていられるのは、今のうちだけだ。
今年で二十歳になった私は、明日、短大を卒業する。
翌日、卒業式から帰宅すると、姉の姿はなかった。
「美弥ちゃん、卒業おめでとう」
「ありがとうございます、お義兄さん」
「お義兄さんはやめよう。俺たちは今日から恋人なんだから」
「え?」
「今朝やっと、あいつが離婚を承諾したよ。もう俺は、君だけのものだよ」
嬉しくて、私は達也さんに抱きついた。
「美弥ちゃん……」
達也さんに抱きしめ返される。
暖かな腕の中、私はそっと目を閉じた。
「とりあえず、俺はしばらくの間、ホテルに泊まるよ。離婚届けを出して、それから家を探して、美弥ちゃんを迎えに来る」
「達也さん……」
「それまで、待っていてくれる?」
「待てない」
達也さんが目を見開く。
「それは、もう俺のことを好きじゃなくなったってこと?」
「違うの。私、今すぐ達也さんと一つになりたいの」
達也さんの目を見つめると、ぎゅっと抱きしめられた。
唇に温かいものが触れて、私は目を閉じた。
「美弥ちゃん、君の部屋に行こう」
「ううん、達也さんとお姉ちゃんの寝室がいい。二人がしてきたことを、達也さんの記憶から消したいの。寝室の思い出は私との記憶で上書きして」
「わかったよ。行こう」
達也さんの腕が私の腰に回される。
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