皆の憧れの先輩を困らせて乱したい!女の子が攻めたっていいですよね? (ページ 2)
「それで、何に悩んでるんだ?」
仕事終わり、私達は居酒屋へと向かった。適当に注文し、とりあえず生で乾杯して一口飲み込んだあたりで先輩が心底心配そうに切り込んできた。
私はそんな先輩の顔をじっと見る。一見とっつきにくいクールな面差しが、いつもより少し柔和になっているのは私だからか。いや、単純に面倒見がいいからか。あぁ、本当に綺麗な顔だ。この顔がアレをするときどうなってしまうのか、気になる。気になって仕方がない。
「美咲?」
奏斗先輩が心配そうに私を見る。私は一口飲んで止まっていたグラスをあおり、ゴクゴクと飲み干すとドンッとテーブルにグラスを置いた。それから奏斗先輩をじっと見つめ返し…
「私、先輩のえっちな顔が見たくて仕方がないんです」
「…は?」
先輩がグラスを落としかけて慌てて両手で押さえ、何を言ってんだお前という顔で私を見ている。
その反応に少し後悔したが、もう口にしてしまったのだ。
ぶちまけてやる。私はグラスを持っていた奏斗先輩の手を包むように自分の手を添えて、狼狽えている彼に一大企画のようにプレゼンよろしく語りだした。
「私、もうずっと奏斗先輩があの時どんな顔をするのか気になって仕方がないんです。顔が真っ赤になっちゃうのかなとか、汗かくのかなとか、イくときどんな声出すのかなとか」
「だあああ、やめろ!おま、セ、セクハラだぞ!!!」
「分かっていますよ!セクハラすみません!でも正直もうムラムラしすぎて仕事にならないんですよ!」
「なっ、そ、そういうのは彼氏で妄想しろよ」
「彼氏なんていませんよ!!てか、いたらそんな妄想しないです。もうずっと私のおかずなんですよ、先輩が!もうこの際ぶちまけたので言っちゃいますけど、私とワンナイトどうですかっ!」
私のあまりの勢いに普段のクールさが抜け落ちてオロオロとする先輩はやっぱりすごく可愛い。私は居酒屋だという事も忘れて押し倒したい欲求を必死に抑え込んだ。
じっと手を握ったまま見つめていると、奏斗先輩が困ったように眉を寄せた。
「酔ってるんだろ?」
「これくらいで酔わないの、知ってますよね?」
「ほ、本気なのか…その、俺と」
「正直、今も押し倒したい衝動を抑えてます」
「…っ、マジ、かぁ」
奏斗先輩のキリッとした切れ長の目元が赤くなっていく。これだけでも十分色っぽい。私が食い入るように見ていると奏斗先輩が見すぎだと肩を竦め、それから「とりあえず、これだけ飲ませてくれ」とすっかり温くなったビールに視線を落とした。
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