気持ちよさの探求に余念がない彼氏が持ち掛けてきた、新しい夜の楽しみ方 (ページ 3)
「ね、気持ちよかったでしょ?」
「あっ、いや、あー! ああ…」
「幸せいっぱいの時にエッチなことを想像すると、脳の判断で気持ちよくなってくれるんだってさ。脳イキっていうらしいよ」
「あ…う、あぁー…」
「ありゃ、ちょっととろけすぎちゃったかな? 大丈夫?」
幸せに茹でられてしまったようなぼんやりとした頭で、うんと何とか返事をする。よかったぁ、と嬉しそうに微笑む創の手が今度こそ私の下へと伸びた。
ようやく与えられた直接的な刺激は、一度気持ちよくなってしまった今の私には強すぎる。気持ちいいまま戻ってこられないんじゃないかと不安にさえなる。
「大丈夫だよ、気持ちよくなるだけだからね。俺のこともさ、ほら、気持ちよくしてくれるでしょ?」
カチャリと創が自分のベルトに手を掛ける音がする。どうやら今夜の気持ちよさには底がないみたいだ。触れられてもいないのにあんなに気持ちよくて、今こうして触れられてしまうと気持ちよさがいっそ苦しいくらいで、それなのに、創が入ってきてしまったらどうなるんだろう。本当に、変になってしまいそう。
「怖くないよ、大丈夫」
「あっ、う、うん…怖くない」
「そうそう、俺に任せてね。今度は一緒に気持ちよくなろう」
安心させてくれる創の声に、私は息を落ち着けて笑う。
でも少しだけ嘘だ。まだ怖い。怖いけれど、創が大丈夫だと言うならきっと大丈夫だって信じられる。私達、もっと幸せに、もっと気持ちよくなれるはずなんだから。今までだってずっとそうだったんだから。
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