オトナのおもちゃで何度絶頂を味わっても許されず、でも本当に欲しいのはホンモノの… (ページ 3)
先ほど哲自身が言ったように、夏美のナカに入れたくてたまらなかったのだろう証拠に、最初から彼は激しく打ち付けてきた。
何度も味わった絶頂の余韻を抱えたままの夏美には、刺激が強すぎる行為だった。
「や、あ、アァッ、だめェ…ッ」
音が鳴るほど強く打ち付けられるたびに、夏美の身体もゆさゆさと揺らされる。
がっちりと腰は掴まれているため身を捩ることもできず、ただきつく枕を抱え込むだけだった。
一番深いところを責められては甘い喘ぎ声を発する。
快感の嵐に翻弄されている夏美は、その声が哲をますます興奮させていることに気づいていない。
凶暴な肉棒の激しい出入りに、秘部も夏美の快感もすぐに限界へと追い詰められた。
息遣いが速くなっていく。
「も、もうっ、アッ、はぅん、く、ア、アアアアンッ」
絶頂の瞬間、夏美の意識は真っ白になった。
頭の中まで官能にしびれ、上体をくったりとベッドに押し付けて荒い呼吸を繰り返す。
強すぎる快感によりこぼれた涙がひと滴、枕を濡らした。
静まった肉棒が引き抜かれる感覚にも、ピクリと震えてしまった。
まだ高く上げたままのお尻を、哲に撫でられる。
つつ…と指先が熱を持った秘部へ下りてきた。
「ぁ、も、やめ…」
「…いつか、ここを俺でいっぱいにしたいね」
結婚するまではと、二人はセックスにゴムを欠かさない。
「いつまでもそんな姿勢でいると、またヤリたくなる…」
「ばか」
横になった夏美は全身が気怠く、頭もまともに働いていない。
「次は、おぼえてろ」
「はははっ、覚悟しておくよ」
今度は夏美が哲を道具で責める番である。
つられて夏美も微笑むと、やさしいキスが落とされた。
*****
夏美の恋人の哲は、いわゆる『お堅い職業』である。
とは言っても、本職ではない。
本職は画家だ。
美術講師として教育に携わっているので、本人が『お堅い職業』と言っているのである。
夏美も芸術関係の仕事に就いていて、その関係で親しくなり付き合うようになった。
ところで、オトナのおもちゃでさんざん喘がされてから一週間くらいが過ぎた頃、哲が仕上がった絵を見せてくれた。
「地獄絵…そういえば、これが専門だって言ってたね」
さすがの迫力の絵だった。
「コンクールに出品しようと思ってるんだ」
実は、この地獄絵のあちこちで鬼からの責め苦を受けている人間の体勢の参考は夏美だったりする。
例えば、あのオトナのおもちゃにイカされている時や哲に貫かれている時の体位や表情である。
この事実は、永久に本人に知らされることはないのだった…。
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