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乱れた着衣も整えぬままにベッドの上で抱き合って余韻に浸る。
壁掛け時計の秒針の音だけが響くなか、廉也がゆっくりと口を開いた。
「佳乃…俺、ずっと考えてたんだけど…」
「なに?」
「そろそろ、オヤジ達に、俺達のこと話してもいいんじゃねえかな?」
付き合ってますって…と、頬を赤く染める廉也に、佳乃は目を丸くした。
弟といっても血の繋がりはない。それに二人とも成人しているなら、別に問題はない。このまま秘密にしているのは難しい。
「うん、今夜、話してみようか…」
きっと反対はされない。そう信じて、佳乃は廉也を強く抱き締めた。
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