「私なしじゃいられなくしてあげる」ケーキバイキングで相席になったオールバックの男性は…

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「私なしじゃいられなくしてあげる」ケーキバイキングで相席になったオールバックの男性は… (ページ 1)

私はつくづく馬鹿だと思う。

休日の午後、甘いものが食べたいから考えなしに、1人でホテルのケーキバイキングなんて。

「(周りカップルだらけだし)」

ピンクを基調にした店内、ケーキをつつき合う甘い雰囲気のカップル達の中、2人掛けのソファーに1人きりで、尚且つスイーツ山盛りのお皿が目の前に2つ。

こんなんだから彼氏ができないのか、まぁ食べるけどね。

今日のお目当て、ティラミスを口に運び、口の中に広がるほろ苦さと甘さに酔いしれる。

「…至福…」

「すいません、お隣いいですか?」

もう一口と、大きく口を開けたところで声を掛けられ気付く。

長身にオールバックのスーツ男が、ニッコリ笑って横に立ってる。

「1人で来たんですが、席が空いていなくて…よかったら相席してもいいですか?」

「あ、はい。私でよかったら」

私はケーキが食べられればどうでもいいし。

横にズレて隣に座れるだけのスペースを作ると、彼はペコリと頭を下げてそこに腰掛ける。

「随分沢山食べますね」

「その為に来てますから」

「…ふふ、面白い」

よく見たらカッコいい顔してるな…。

オールバックだから老けて見えるけど、思ったより若いのかな?

じーっと見ていると、なにを思ったのか、男の手が伸びてきた。

「クリーム付いてます」

ゴーーン!!と頭の中に鐘の音が鳴り響いた。

な、なにそれイケメン!!

赤面してフォークを落とす、だけど気にしてられない。

これはきっと運命だ。

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