怪しくも紳士的な梟にセックスレスを相談したら…導かれてみる夢の正体とは (ページ 3)

名前ではなくアドレスで表示されるその画面に、私の心臓が大きく跳ねた。

“かしこまりました。明日の夜10時にお待ちしております”

そして、すぐに約束の時刻は訪れた。

名刺の裏に書かれていた地図を頼りにたどり着いた先は、細い路地にある一つの建物。

その黒い扉を目の前にして、私の足は止まっていた。

人の気配が無いこの場所に、本当に悩みをもつ人が集まるのだろうか。

扉に触れようと手を伸ばす。

「っ!?」

途端、ギーと鈍い音を立ててゆっくりと開き始めた。

そして、

「お待ちしておりましたよ。美香様。…ようこそ、梟へ。」

扉の奥に立っていたのは、梟の被り物をしたスーツ姿の男性。

声を聞く限り、あの時の人に間違いは無いようだ。

「あ、あの…。」

「準備は出来ております。どうぞ、中へ。」

戸惑う私に背を向け、建物の奥へと進みだす。

その姿に私は扉の向こうへと足を伸ばした。

コメント (0)

コメントを書く