ママの元彼に恋をした私。二人きりになった夜、後ろから抱き着いたら彼からの思わぬ初キス。そして…。 (ページ1)

『じゃあ美咲、今夜、隆雄くんが来るからよろしくね!』

ママはそう言うと、3泊4日の海外出張へ行ってしまった。

私の名前は美咲、女子大に通う普通の女子。

男っ気のない私は、女子中・高・大とずっと女子ばかりの環境で思春期を過ごし今に至る。

周りの同級生は就活を始める時期だが、私はママの会社に入る予定なので、特に就活もせずに毎日刺激もなくのほほーんと生活している。

ママは昔からバリバリのキャリアウーマンで、今は会社の経営者。

私が幼少期に、仕事が長続きしない女好きの父と離婚して、女手一つで私を育ててくれた。

ママは出張で家を空けることが多く、そのたびに、隆雄くんが家に来てくれる。

隆雄くんは、ママの秘書であり、彼氏だった人。

ママよりもかなり若く、私と隆雄くんの方が年齢的に近いと思う。

仕事はそんなにできる方じゃないらしいけど、とにかく周囲の気配りが丁寧で、細かいサポートに関しては気の利く、イマドキの若い人には珍しいって母はよく言っていた。

夜8時近くになってやっと隆雄くんが家に来た。

『美咲ちゃん、遅くなってごめん!今すぐ食事の用意をするからさ』

気配りがよく出来る隆雄くんは、料理もすごく上手。

何にもできない私を心配して、ママがいつも家を留守にする時に隆雄くんを家に呼ぶようにになり、私が大学生になった今でも来てくれる。

初めて会った時、私はママと隆雄くんは好い関係なんだってすぐに気が付いたけど、知らないふりを続けていた。

初めて会った時、一目で私は隆雄君のことを好きになってしまったから。

私が高校卒業間際の出来事だ。

『ひとめぼれ』なんて実際あるのだと自分でも驚いた。

ママが使っているヒラヒラでラブリーなエプロンを身に着けてキッチンに立っている隆雄くんの後ろ姿を見ていると、思わず吹き出してしまいそうになる。

けれど、それと同時に、彼の広い背中とかなり高い身長にドキドキしてしまう。

どうしてかわからないけど、自分のずっと溜め込んでいた数年分の隆雄くんへの思いが爆発してしまったようだった。

気が付くと私はしがみ付くように、隆雄くんを後ろから抱きしめていた。

『どうしたの?美咲ちゃん…』

『私のママとは別れたんだよね?』

私の言葉に一瞬動きが止めてから、隆雄くんは私の方へ向き、リビングのソファへ連れて行ってくれた。

『何言っているの?』

明らかに表情は強張っているけど、必死に冷静を装う雰囲気が伝わってくる。

『美咲全部知ってるから…。もう別れたんだよね?』

『…参ったなぁ』

隆雄くんは、できたての食事をテーブルに並べ終わると、

『食べながら話そう』

と言って、向かい合う形で二人テーブルに着いた。

『いつから知っていたの?』

『最初から。隆雄くんが初めてママと一緒に来た時、一瞬でわかった。あぁ、この人が新しく付き合っている人なんだって』

隆雄くんは参ったなって表情をしながら、私の話をしっかりと聞いてくれている。

作ってもらった食事にお箸をつけながらもなかなか進まず、隆雄くんに申し訳なく感じていた。

『ママはいつも彼氏ができると急に変わるからわかるんだよね…』

『それで?』

『それでって…』

その後の言葉が詰まって出てこない。

その場の勢いで後先考えずに抱きついてしまうだなんて、自分で自分の首を締めている状況に困惑する。

下を向いて困っていたら、隆雄くんがいつの間にか私の後ろに居て、後ろからそっと肩に手を置いてきた。

『美咲ちゃんは、僕のこと好きなんですか?』

直球で聞かれてドキンとして、後ろから肩に置かれた手のひらから熱を感じてしまう。

即答ができず、黙りこくっていたら、

『セックスしたい?』

と聞いてきた。

『えっ?!イヤ…それは…』

展開の速さに思考がついていけず、戸惑ってしまい、おろおろとしてしまっている自分が情けない。

『急に後ろからしがみ付いてきて、こんな話してくるから…てっきり僕と付き合いたいのかと思って』

『でもね、美咲ちゃん、付き合うとしたら、セックスだってすることになるんだよ。僕と』

隆雄くんはそう言って、私の腕を掴むと、ソファへ連れて行って押し倒した。

前のページ

/4