「やっと触れるのに……まだお預け?」処女のまま迎えた結婚初夜

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「やっと触れるのに……まだお預け?」処女のまま迎えた結婚初夜 (ページ 1)

「ほら、早くこっちに来いよ」

彼がリビングでにやにやと笑いながら私を呼んだ。

その意地悪な笑みに含まれているのはほぼ100%が私へのからかいだ。

キスをするのも手を繋ぐのでさえも恥ずかしくて赤くなってしまう私を、苛めて楽しんでいるのだ。

「もう!絶対に嫌!」

私は将希に背を向けると、リビングを出て寝室へと入った。

こうなったらさっさと寝て今夜をやり過ごすしかない。

そう思ったのも束の間、がちゃりと寝室のドアが開く。

そしてそこで、私は自分の犯した間違いに気づいた。

「自分から寝室に行くなんて、誘ってるんだろ」

「ち、違うの。これはあなたから離れようとして……」

「わかってる、わかってる。俺は十分わかってるから」

「も~!絶対わかってない~!」

今どき処女のまま結婚する人は何人くらいいるのだろうか。

1割にも満たないんじゃないだろうか。

見合いならまだしも、付き合ってるカップルがエッチするなんて今じゃ当たり前で。

それなのに私は25歳で将希としか付き合ったことがなくて、未だに処女だ。

キスまでならしたけれど、お互いの仕事が忙しかったこともあり、今まで何となくそういう行為に至らなかったのだ。

「やっと美雪に触れるのに……まだお預け?」

「……そういう言い方、ずるい」

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