大好きな彼とのお泊りデート。さあいよいよ挿入、というときにスマホが着信をして…… (ページ1)

♪♪~

ベッドサイド。高木さんの白いスマホが、軽やかな着信メロディを奏でている。

いつもの高木さんだったら電話はマナーモードにするし、そもそもこんなとき、こんな場所にスマホなんて置かない。

今日は特別だ。

「はっ…はぁっ…すごい、タイミング」

息を切らしながら、裸の私は、顔を手で覆った。

はぁはぁする息は止まらないし、うまく、しゃべれない。

「本当にすごいタイミングだ。ごめんな、綾」

私の上にのしかかっていた高木さんが、手を伸ばし、スマホを手に取った。

今夜、どうしても出なくてはならない大事なお仕事の電話がかかってくる……。

ホテルに入るとき、高木さんから聞いていた。

だけどまさか、こんなタイミングでかかってくるなんて……。

せっかくいいところだったけど、あきらめておとなしく待つしかない。

「はい、高木」

高木さんはすぐに冷静な声を出したけれど、私はまだ普段の自分に戻れず、両手で口を押さえながら、息がおさまるのを待った。

電話の相手に、こんな恥ずかしい声が聞こえたら大変だ。

「遅くまでお疲れ様。ん? いやいや大丈夫。そんなんじゃない。話してみて? えっ!? ほんと? それはすごい」

つきあって2年の高木さん。年上でやさしいけど、とらえどころがなくて、ひょうひょうとしてて、不思議な人。

つい今しがたまであんなことや、こんなことをしてたのに、すっかりお仕事モードだ。

「ええ。資材課と△社さんへの連絡は僕が。君はそっちの会議をよろしく。それから…」

高木さんがさらなる打ち合わせを始めた。

裸のままだった私は、恥ずかしくて、真っ白いシーツの中に潜ろうとした。

すると高木さんがそれに気づき、シーツをつかんで阻止してきた。

「???」

「だめ」

電話の相手が不在になったらしく、高木さんは耳と肩にスマホをはさみ、こっちを見て笑ってる。

「綾の裸、見てたい」

高木さんはそう言うと、こちらに手をのばし、私の手をにぎってくれた。

「いいところで、残念だったな」

「高木さん。あとでいっぱい、続き、しよう?」

「ん、そうだな」

私たちは指を一本一本絡み合わせ、恋人つなぎをしていく。

いつもセックスのとき、するつなぎ方だ。

やさしさと、いやらしさがまぜこぜになり、恥ずかしい声が出そうになる。

だってつい数分前まで、この大きなベッドで、シーツがビショビショになるようなことをしていたのだ。

すぐにスイッチが入ってもしょうがない。

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