会員制エステで施される薫るほど濃密で淫靡なサービス (ページ1)


仕事からの帰り道、雑踏を抜けてオフィスビルが立ち並ぶ通りから少し外れたところに、レンガ造りの壁に蔦がはった建物がある。


私は地下に続く階段を降り、重いドアを開けた。

今日も端整な顔だちの男がずらりと並んでいる。


「いらっしゃいませ、樹理様。今日のご指名は?」

「佐久間さんでお願いします。」

「かしこまりました。オーナー、樹理さんです。」

従業員の男性が事務所にこもっている佐久間を呼んでくれた。

男は私をみとめるとにっこりと微笑んでくれる。


私が通うエステサロンは会員制でオールハンドの施術を男性が行う。


私が仕事帰りに疲れて佇んでいたところを偶然佐久間に拾われ、それ以来定期的に通うようになった。

拾われたご縁で毎回佐久間を指名しているけれども、佐久間はオーナーなので普段は誰にも施術してない。

つまり、私だけ。


ホテルのシングルルームような部屋に通された後、用意された刺激的な下着の中から好きなものを自分で選ぶ。

シャワーを浴びて下着をつけ、いつもと違う自分に着替たら指名された男性がやって来る。


あとは大きくて温かい男の手が全身の滞りをオイルで流してくれるのにただ身をまかせるだけ。

ただし、脚の先からアソコの穴までマッサージされる。

それはそれはとても丁寧に。


「樹理さん、お体の調子はどうですか?体のラインはとても綺麗になられましたね。」

佐久間がいつもと変わらない調子で私の背中にローズとザクロのオイルを馴染ませている。


「佐久間さんのおかげです。あんっ!」

背中から鎖骨を滑らかに指圧する指先が胸に滑り落ちる。


「んっ…佐久間さん…。」

ぬるぬると肌を滑るオイルはいつも私をいやらしい気分にさせる。

佐久間が胸の先端にオイルをつけて弄んでいる。


「樹理さん、…最近恋してますか?」

佐久間は私を手だけで気持ちよくして決して体を繋げてこない。

キスもしない。

佐久間は愛撫ともマッサージとも言える施術で私をよがらせて何度もイカせてくれる。


スポーツした後のような心地よい疲労感と快感が忘れられず、すぐに会員になってしまった。


何度目からだろう佐久間に興味がでてきたのは。

もしかすると最初からかもしれない。

気がつくと佐久間のことばかり考えてしまう。


「……好きな人は、できました。」

勇気を振り絞って出した声。

あなたが好き、とは言えず。


いつも穏やかな佐久間の反応は予想と違っていた。

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