淫らな行為は即退店のネットカフェ。なのに、まさか初対面の男性とこんなことになるなんて……。声を殺して感じる羞恥セックス (ページ 4)
「マナミさんの中、気持ちいいよ……このまま出したくなる」
「あん、だめ……中はだめぇ……っ」
「だめ? ホントに?」
クチュクチュとアソコを指でいじる。キュウッと中が締まり、匠さんが「うっ」と声を上げた。
「だめって言うわりにすごい締めるね……」
「だって、触るからぁ……っ」
「ああ、ヤバイ出そう、出る出る……」
「やだ、だめだめっ、あん、あああんっ」
私はイヤイヤと首を振ったが、匠さんは私の身体に覆いかぶさりガッチリと抱きしめる。
「っ、ああ!」
グ、グ、と奥に挿して身体を震わせる。腰の動きが止まり、ふうっとため息をついた匠さんは、ゆっくりと私の身体から離れた。
「ごめんね、中で出しちゃった」
「……うそぉ……」
私は指を自分の中に入れ、彼が放ったものを掻き出すようにヌチュヌチュと指を動かした。
ドロリとした体液が中から溢れ、床にポタポタと落ちて斑点をつけていく。
勘違いから始まったとはいえ、まさかネットカフェで中出しされるとは思わなかった。
「(そういえば、本物のマナミさんはどうなったんだろう……)」
乱れた服を整えながらそんなことを考えていると、匠さんは自分のバッグからエプロンを取り出した。
その色には見覚えがある。
そしてそのエプロンを着用する彼を見て、胸元に大きく書かれたネットカフェのロゴに目を丸くした。
「出勤前にフロアを通りがかったら、セックスしてるカップルの隣でオナニーしてるあなたを見つけてね。ダメ元で突入したら意外といけちゃったって感じでラッキーでした」
「そんな……匠さんって、ここの店員さんだったんだ……」
「ええ、ご利用ありがとうございます」
匠さんは平然と言い、ペコリと頭を下げた。
こんな状況での“ご利用”という言葉は少し意味深で、私はリアクションに困ってしまう。
「マナミさんが僕の設定にノッてくれて助かりましたよ」
そう言って匠さんは受付で発行されたレシートのバインダーを私に手渡した。
そこには私の名前が印字されている。
偶然なんかじゃなく、彼はこれを見て私の名前を知ったのね……。
「匠さんって、いつもこんなことしてるの?」
「さぁ、どうでしょうね」
「……」
自分勝手なのは分かっているけど、なんとく複雑な気持ちになる。彼にとってはよくあることなんだ、って思うと胸が痛んだ。
「ははっ、嘘だよ。そんな顔しないで。いつもこんなことしてたら仕事がクビになっちゃうし」
「そ、そうだよね。びっくりしちゃって」
そういうことじゃないんだけど、と思いながらも匠さんに合わせて笑った。
すると彼は途端に真面目な顔になる。
「っていうのも嘘。本当は、マナミさんだったからだよ」
「えっ……」
「見つかったらクビになるような危ない橋を渡ってでも、マナミさんのことを抱きたいって思ったんだ。声を殺して感じてる姿が可愛くて、愛おしくて」
少し照れ臭そうにしながらの告白に、私の鼓動は早くなる。セックスしたときの火照りがようやくおさまってきたところなのに……。
「まぁ、ついやり過ぎちゃったのは否めないけどね」
「もう……」
「あっ、ヤバイ。僕そろそろ行かなきゃ。良かったらココでシャワー浴びてってよ」
お詫び、と言って匠さんは私にキーを手渡した。そういえば、ここのネカフェってシャワールームがあるんだっけ。確かに、彼の“匂い”がしたまま取引先へは行くのはマズイ気がする。
「ありがとう、入ってくるね」
「あと、タオルはカウンターでもらって。それから」
「ふふっ、まだあるの? サービスが多――」
と言いかけた私の唇に彼の唇が重なった。優しくて甘いキスに、心がとろけていく。
「それから、続きはちゃんとベッドの上でしようね」
「匠さん……」
続きっていつ?と聞こうとして止めた。彼は今から仕事で、私もこれから仕事に戻る。
けれど、彼がこの場所にいるのは分かっているのだから。
「うん、また夜にね」
私が言うと、匠さんは嬉しそうに笑ってもう一度キスをした。
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