勘違いから兄に嫉妬している男の子が家庭教師に望んだご褒美 (ページ 2)

「裸見せてよ」

今までも。

少し生意気だったけど。

家庭教師の私にこんな口調で話すのは初めてだ。

「俺はね、綾子センセの裸が見たいんだよ」

そう言って服の衿ぐりに指を引っ掛けて軽く引っ張った。

「ご褒美に、ほっぺにチューしてくれたってそんなもんは嬉しくないの」

「・・・・」

「センセ見せてよ」

服を引っ張ったまま、私の顔をじっと見つめる。

「出来ないなら、次の模試で順位大幅に下げるぞ。兄貴はどう思うかな」

翔クンは私が先輩を好きだと勘違いしていて。

いつも先輩を引き合いに出してくる。

先輩はいい人だけど、好きな人じゃないのに。

「脱いでよ」

そう言う翔クンの目をじっと見つめながらワンピースを脱いだ。

言葉とは裏腹に、目に見えて赤くなった翔クンは

「なんでそんなに色っぽい下着着けてるんだよ」

と顔をそむけた。

「兄貴に会うためかよ」

そこにはいつも余裕で勉強して、真面目な印象の翔クンは居なくて。

悔しそうに下唇を噛んでいた。

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